不定期に話題になる、日清「どん兵衛」を “稲庭うどん”風に変えるアレンジレシピ。

 熱湯を注いだ後に電子レンジで3分チンすると麺が半透明でツルツルとした食感になるとされています。「レンジでチンするだけでそんなことが?」と不思議に思ったので、実際に作ってみることにしました。

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■ “稲庭うどん”風「どん兵衛」の作り方は簡単!追加で用意するものは耐熱容器だけ

 稲庭うどんとは約350年の歴史を誇る秋田県の名産品で、“日本三大うどん(稲庭うどん、讃岐うどん、水沢うどん※)”の一つに数えられます。特徴は他のうどんにくらべやや細く平らな麺、そして食感はコシがありつつも、つるつるしたのどごしの良さ。

※三大うどんの三つ目については諸説あり。五島うどん、氷見うどんも候補。

 そして“稲庭うどん”風「どん兵衛」は2020年にお笑い芸人・阿曽山大噴火さんが紹介したことで一躍注目を集めたアレンジレシピ。とはいえ、Google検索で「どん兵衛 稲庭うどん」で調べてみるとそれより前の2015年ごろにレシピを紹介しているメディアやサイトがあり、どこが初出なのかは不明です。

 アレンジのやり方はいたってシンプル。用意するものは「どん兵衛」と耐熱容器。



 用意したら「どん兵衛」を耐熱容器に移し、熱湯を注いで電子レンジで3分チンするだけ。追加の材料は必要なく、いつもと同じ作り方に電子レンジを挟むだけです。

 なお、洗い物が出るのをめんどくさがって「どん兵衛」をカップのまま電子レンジに入れると危険です。容器が変形する恐れがあるため、必ず耐熱容器に移して行ってください。

 「本当にこれだけで麺が半透明に?」と半信半疑ながら、とりあえずレシピ通りに耐熱容器に「どん兵衛」の中身(唐辛子以外)を移し、規定量の熱湯を注ぎます。







 熱湯を注いだ後はレンジへ。レンジに入れる際はラップが必要なレシピと不要なレシピの2種類がありますが、今回はラップを掛けずに行いました。





 本来であれば耐熱容器には粉末スープと麺のほか、おあげも移すべきなのですが、なぜかこのとき忘れてしまいました。が、今回のメインはあくまで麺なので!おあげには後で沈んでもらいます。



 3分後、レンジから取り出した「どん兵衛」です。見た目は特に変化があるようには思えません。



 「失敗した? それともガセネタ?」と思いましたが、箸で少し麺をほぐしてみると下の方から半透明になった麺が現れました。



 全部綺麗にとはいきませんでしたが、それでも麺の大部分が稲庭うどんのようなツルツルの半透明です。



 実際に食べてみるといつもより口当たりがよく、滑らかにつるつるすすれます。歯ごたえもモチモチ感を強めに感じられて、普通に作った「どん兵衛」とは明らかに違う食べ心地です。私はこのアレンジ麺の方が好きかもしれません。

 「すっげー、本当に“稲庭うどん”みたいだー」と感動しつつ、入れそびれたおあげも沈めます。



 最初からおあげを電子レンジに入れると、麺と同じく食感の変化がありそうなので、ちょっと失敗したかもです。

 容器に移したり電子レンジを挟んだりとやや手間がかかるものの、試して正解なアレンジレシピでした。

■ “稲庭うどん”風になるのは「どん兵衛」だけ?「赤いきつね」でも試してみた

 ところでふと気になったことがあります。この“稲庭うどん風”のアレンジができるのは「どん兵衛」だけなのか、と。

 別のカップうどんで同じことをやったらどうなるのかと気になったので、今度はマルちゃん「赤いきつね」を買ってきて、同じ手順で試してみました。







 今回は忘れずにおあげも耐熱容器に移し、「どん兵衛」のときと同じく熱湯を注いだ後に電子レンジで3分チン。







 できあがり直後の見た目はやはり通常手順のときとほとんど変わりがありません。



 ちょっと崩してみると、やはり半透明の麺が出てきました。が、「どん兵衛」のときと比べると若干割合が少ない気がします。「赤いきつね」の場合はもしかするとあと30秒から1分チンする時間を長めにとったほうが良いのかも知れません。



 ただ実際にすすってみるとツルツル感とモチモチ感は「どん兵衛」のときとあまり変わらずで、「赤いきつね」でも同じように“稲庭うどん”風のアレンジができることがわかりました。



 “稲庭うどん”風アレンジはカップうどんの種類を問わず、共通の可能性が高いです。これは新たな発見です。

■ どうして電子レンジでカップうどんを温めると“稲庭うどん”風になる?

 ではなぜ電子レンジで温めると“稲庭うどん”風になるのでしょう?

 電子レンジで麺をゆでると、短時間での高温かつ均一な加熱により麺の主成分であるデンプンの糊化(α化ともいう/水分を吸収し膨らんで柔らかくなる現象)が効率よく進み、麺のコシよりもモチモチとした食感が強調されます。

 そして電子レンジでチンする時間を、どん兵衛を普段作る5分よりも短く3分にすることで、麺の堅さが若干残りコシに近い食感を再現しているのではないかと考えました。

 これら条件がそろい、食べたときに稲庭うどんのような「なめらかさ」や「コシ」を感じ、同じ平麺ということもあり「似ている」と思わせるのかもしれません。

 ただ今回作った結果では、上と下で若干麺の戻し加減にムラがありました。もし実際に試してみる場合には、3分チンするうちの2分あたりで1度取り出して軽く混ぜ、残り1分をチンしたほうがうまくできるかもしれません。

<参考・出典>

日清食品「レンチン洋風どん兵衛」

秋田県稲庭うどん協同組合公式ホームページ

日本の三大うどんは「讃岐」「稲庭」、あとひとつご存知ですか?

(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024101103.html