ロケッツで2年目を迎えるヴァンブリート「僕はレンタル移籍でやって来たんじゃない。ホームだと思ってここへ来た」<DUNKSHOOT>

 現地時間10月11日(日本時間12日、日付は以下同)、ヒューストン・ロケッツのフレッド・ヴァンブリートのインタビュー記事が地元メディア『Houston Chronicle』へ公開された。

 ドラフト外からトロント・ラプターズでチャンスを掴み、オールスターガードへ成長を遂げた183cm・89kgのポイントガードは、昨夏にロケッツへ移籍。加入初年度は73試合で平均17.4点、3.8リバウンド、1.38スティールにキャリアハイの8.1アシストをマークした。

 ロケッツは2020-21シーズンから3年連続勝率3割未満でリーグ下位に沈んでいたが、イーメイ・ユドカ新ヘッドコーチ(HC)とヴァンブリート、ディロン・ブルックス、ジェフ・グリーンらベテラン陣の加入でディフェンスが改善。

 攻撃では若手のアルペレン・シェングン、ジェイレン・グリーンが得点源となったチームは、3月中旬にシェングンがケガで戦線離脱したものの、11連勝を記録してウエスタン・カンファレンスを席巻。惜しくも4年ぶりのプレーオフ出場は叶わなかったが、ウエスト11位の41勝41敗(勝率50.0%)へと躍進を遂げた。

 今夏にボバン・マリヤノビッチが退団(トルコリーグへ移籍)したとはいえ、今年2月のトレードで加わったセンターのスティーブン・アダムズがデビューするほか、ガードにはドラフト全体3位で指名したリード・シェパードもおり、昨季から戦力アップしたと言っていいだろう。
  ジェイレン・グリーンとシェングンは2021年のドラフト組で、ルーキースケールの延長契約を締結できる期限が10月21日までとなっている。もしその日までにロケッツと延長契約を結ばなければ、今季終了後(2025年夏)に制限付きフリーエージェント(FA)となるため、フロントの判断に注目が集まる。

 同時に、ヴァンブリートの来季契約はチームオプションで、今季フロントがサラリー過多と判断、あるいは若手陣の成長があれば、オプション破棄で完全FAになる可能性もある。

 30歳の司令塔兼リーダーは、現在の心境を次のように語っていた。

「僕はレンタル移籍でやって来たんじゃない。(また)フリーエージェントになるためでもない。長期間プレーするホームとして加わったんだ。ここまで過ごした時間をすごく気に入っている。チームのマネジメント陣、コーチ陣が見据えている未来像はすごくいいと思う。ビジネスというのは常にそこが大事になってくる。だからあまり心配はしていない。物事がうまく進むと思っているんだ。僕の家族はテキサス(州)にいて、ホームだと思ってここへ来た。そのホームを見つけたと僕は思っているよ」 ロケッツの今季予想スタメンはヴァンブリート、ジェイレン・グリーン、ブルックス、ジャバリ・スミスJr.にシェングンの布陣。ベンチにはシェパードやアメン・トンプソン、キャム・ウィットモア、タリ・イーソン、アダムズ、ジョック・ランデールらが控えている。

 ローテーションメンバーのうち、約半数が20代前半と若いチームだが、そのなかでベテランのヴァンブリートはコート内外でメンターの役割をこなしている。
 「このチームにいるどの選手とも、僕は良好な関係を築けている。このリーグでスターと呼べる選手はそう多くない。それ以外の選手たちは自分たちの役割を見出さないといけない。僕ならいつでも彼らと話せるし、自分のこれまでのストーリーを伝えられる。コーチ陣がつかずにシューティングを続けていたこともあるし、自分でリバウンドを取ったり地道にやってきた。僕は常にその時のことを心に留めているんだ」

 優勝経験があり、リーダーシップも発揮するヴァンブリートは今季もロケッツにとって替えの利かない存在になりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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