【新日本】10・20ロンドンIWGP戦へ会見 ザックV1なら鷹木迎撃、SANADA戴冠なら海野とV1戦が抽選で決定

 10・20ロンドン大会でのIWGP世界ヘビー級選手権試合が決まった王者ザック・セイバーJr.、挑戦者・SANADAが15日、東京・中野坂上の新日本事務所で会見。ロンドン大会後の挑戦者を抽選で決めることになり、ザックが防衛すれば鷹木信悟迎撃、SANADAが戴冠すれば海野翔太と初防衛戦が決まった。

 10・14両国大会でG1覇者・ザックが内藤哲也との激闘を制し、IWGP世界ヘビー初戴冠。10・20ロンドン大会に王者として凱旋することが決まった。試合後、同大会での対戦相手であるSANADAがやってきて挑戦を表明。ザックも即諾し、母国での初防衛戦が決まった。

 悲願の初戴冠から一夜明けたこの日、会見に臨んだザックは「自分が初めて獲得するIWGPタイトルがIWGP世界ヘビー級という、この会社の中で最高に栄誉のあるタイトルであったということは何よりもうれしいことです。8年間やってきた中でも今、最高にうれしい瞬間が訪れています」と喜びの弁。「これからは自分が真のリーダーとして、この新日本プロレスを未来に向けて引っ張っていかなければいけない存在になった」と王者としての責任も口にした。

 初防衛戦が地元・ロンドンで、相手はSANADA。「自分にとって何よりのシチュエーションであると考えています。SANADA選手以外の選手は初防衛戦の相手として考えられません」と言い切ったザックは「SANADA選手と試合をすると必ず自分の中にあるイデオロギー的なものを披露することができる、私にとっても素晴らしい相手」と評したうえで、「今まで見せたことがないザック・セイバーJr.をロンドンで見せることになる」と予告した。

 対するSANADAは今年の1・4東京ドーム大会で内藤に敗れて第7代王者から陥落以来、約10ヵ月ぶりの返り咲きを目指す。「ザックとやると毎回、化学反応が起きる」とこちらも好敵手として一目を置き、「今まではテクニカルな試合展開でやってきて、その最高傑作になるんじゃないか」と予感している。G1優勝からIWGP戴冠を果たしたザックに「今までのザックではないのと、今までより凄くなっているのは感じていて。今まで通り戦っても勝てない」と感じており、「1月4日、東京ドームでベルトを落として、2月に挑戦して負けて、6月、IWGP GLOBAL挑戦して負けて、G1でも結果を出せず。今年いいことがなかったので、このタイトルマッチが自分の中では今年ラストチャンスだと思っております」と不退転の覚悟を示した。

 両国大会ではSANADAの挑戦表明後、鷹木信悟と海野翔太も名乗りを上げた。そこでザックが「自分たちで勝手に決めるのはアンフェアなので、くじ引きでもいいと思います」と提案し、ロンドン大会後の挑戦者を決めることになった。二人の写真が入った二枚の封筒のいずれかを引くもので、ザックが鷹木、SANADAが海野を引き当てた。

 この結果、ザックが勝利した場合、鷹木とのV2戦、SANADAが勝利した場合、海野との初防衛戦に臨むことが決まった。ザックが「ロンドンで防衛するので次の防衛戦は鷹木で決定です」と断言すれば、SANADAは「G1では勝ってるんで、あまり刺激がない」としながらも、「一番気になったのが昨日のブーイングですね。翔太に対してのブーイングがすごい気になったので、もっとブーイングを起こさせたい」と海野迎撃を見据えた。

【会見の模様】

▼ザック「よかった。ついにIWGP世界ヘビー級という大きなタイトルを獲得することができました。自分が初めて獲得するIWGPタイトルがIWGP世界ヘビー級という、この会社の中で最高に栄誉のあるタイトルであったということは何よりもうれしいことです。8年間やってきた中でも今、最高にうれしい瞬間が訪れています。そして、プロレスを始めた初日からずっと夢見ていたことが現実になったとはいえ、何よりこれからは自分が真のリーダーとして、この新日本プロレスを未来に向けて引っ張っていかなければいけない存在になったということを実感しています。追われる立場とチャンピオンはやることも、そして考えもまったく違ってきます。次の自分自身のチャプターが楽じゃないということは、もちろん自身自身が一番わかっていますけど、誰も今の自分を止めることはできないでしょう。ここから2ヵ月、まだ試合が続きますが、もちろん東京ドームにはチャンピオンとしてリングに上がり、外国人選手としては初めてIWGPヘビー級を防衛成功してリングを降りるということを考えています」

※SANADAが登壇

▼SANADA「初防衛の相手がSANADAで、とても光栄に思っております。ザックと初めてシングルマッチしたのが、2018年のG1後楽園ホールだったんですけども、その試合が自分の中ですごく衝撃を受けて、今のSANADAの基礎になった試合なのかなと思ってます。そのあともダラス、東京ドーム、地元・長岡、大阪でやった時も、今までのレスラー人生で初めてのダブルフォールで決着がついたりとか。ザックとやると毎回、化学反応が起きるというか。で、今回ロンドンでやるんですけども、ザックとはいつかIWGP戦したいなと思っていたので。しかもザックの地元・ロンドン。ロンドンのお客さんはすごく温かいですし、そこでできるっていうのはすごく光栄です。あと今年になって1月4日、東京ドームでベルトを落として、2月に挑戦して負けて、6月、IWGP GLOBAL挑戦して負けて、G1でも結果を出せず。今年いいことがなかったので、このタイトルマッチが自分の中では今年ラストチャンスだと思っております。以上です」

▼ザック「昨日、東京ドームではなく両国という会場で自分自身がタイトルに挑戦したというのは、何よりも両国国技館という会場における呪いを解くためでもありました。NEVERで後藤選手に負けました。NEW JAPAN CUPで優勝したにも関わらず、そのあとタイトルを獲ることができなかった。それがどちらも両国国技館でした。今回チャンピオンになって、そして『Royal Quest』が始まるということで、自分の地元であるロンドンで初防衛戦をSANADA選手を相手に行うというのは、自分にとって何よりのシチュエーションであると考えています。SANADA選手以外の選手は初防衛戦の相手として考えられません。何よりもたぶんシングルマッチを最多で戦っているのは内藤選手ではあると思うんですけど、SANADA選手と試合をすると必ず自分の中にあるイデオロギー的なものを披露することができる、私にとっても素晴らしい相手です。SANADA選手、2023年は大変強く好調なシーズンを過ごしていました。自分自身、SANADA選手との対戦、G1では勝っていまるんですが、それを含めてもあの時のSANADA選手の強さというのは何よりも素晴らしいものがあったと思います。自分の地元であるロンドンで初防衛戦となるということで、SANADA選手がもし今、目の前にあるベルトを獲りにくるという思いで強くリングに上がって来るんだとしても、自分自身は今まで見せたことがないザック・セイバーJr.をロンドンで見せることになると思いますので、楽しみにしていてください」

――同世代のSANADA選手でG1長岡大会のあと、SANADA選手を叱咤激励するような発言があったが、SANADA選手にはまだ眠れる実力があると感じている?

▼ザック「長岡でそういった言葉もあったんですけど、その2週間後には負けているので、彼の強さというものはあると思いますし、本当にいい選手だと思います。自分自身も最高の状態で対戦相手に挑みたいと思っていますが、対戦相手にも同じことを望んでいます。もちろん最高のSANADA選手で来てほしいと今回も願っていますし、SANADA選手の地元の長岡で自分が勝ったということもあるので、今度は自分の地元でSANADA選手がリベンジを果たすというのは、立場的にもチャンピオンとして立場ということで変わってくるんですけど、彼が新日本のトップに戻るにあたって、ここは全力で来ると思っていますので、そのSANADA選手に勝てれば、自分自身のステータスが1つ上がるなと思いますので、そういったところが楽しみです」

――長岡での対戦以上に進化していると思うが、今のザック選手をどう感じている?

▼SANADA「自分自身もチャンピオンになったんですけど、チャンピオンになる前となったあとでは景色が全然違うんですよ。うまく言葉では言い表せないんですけども、それは経験してみないとわからないんですけども、今までのザックではないのと、今までより凄くなっているのは感じていて。今まで通り戦っても勝てないっていうのはわかってます。そういう覚悟で挑戦したいなと思ってます」

――G1優勝前に小川良成選手が引退を表明し、IWGP世界ヘビー級王座獲得前にブライアン・ダニエルソン選手がいったんプロレスから離れるという話もあったが、深く関わりのある二人の選手がベルトを獲る前にそういった決断をしたことについて? 彼らが築き上げたものを継承していく思いは?

ザック「ブライアン・ダニエルソン選手がフルタイムでレスラーをするのをいったんやめたというは知っていますし、そういった中でこのタイトルマッチができたのはまた一つ大きなことでした。彼らは自分にとって誰よりも大きな影響を与えてくれたレスラーです。僕だけではなく、僕ら世代のプロレスラーたちに多大なインパクトを与えた選手でした。ダニエルソン選手はこれまでに経験のないほど素晴らしい功績を世界最大の団体で成し遂げたことに関しても、尊敬すべき相手だと思っています。そういった選手たちが自分の前から去っていくのはある種の悲しみでもあるんですが、ブライアン・ダニエルソン選手を相手にベルトを防衛できればよかったなと思っていますが、まずはいったん、しっかりと体を休めて、戻れる機会があれば戻ってきてほしいと思います。私たちの間にはまだ終わっていないビジネスがありますから。そこを清算できるような未来が待っていることを願います。そして小川選手、彼も同じように自分のプロレスのキャリアを築く中で、与えられた影響というのは大変大きいです。もちろん彼から直接得た影響もそうですけど、自分自身はテクニカルレスリングというものを継承していくという立場の中でも小川選手はとても大きな存在であり、これから自分自身がそれを引き継いでいくことを含めて、とても大きな責任があると思っています。ただただ二人に関しては感謝という言葉しかありません」

――今年の1・4東京ドームでベルトを失ったが、ベルトを取り戻して王者としてどういったことをやりたい?

▼SANADA「今回のIWGP戦なんですけども、俺とザックは同い年で36、37歳の年で、レスラーとして一番脂が乗ってる時期だと思うんですよ。今まではテクニカルな試合展開でやってきて、その最高傑作になるんじゃないかなと思ってまして。今回の戦いはもしかしたらこういう戦いができるのは最後かなと自分は思ってるんですよ。このベルトを獲ってから、そのビジョンを話してもいいですか? 申し訳ございません」

――挑戦表明した時の気持ちというのは?

▼SANADA「今、思ったんですけど、ザックと初対戦したのはロンドンだったような気がするんですよね、2016年の。だから、そういうところもストーリーに繋がりますし、2019年の10月にロンドンでIWGPタイトル挑戦のマイクをしたんですよ。その時マイクで言ったのは『チャンピオンとしてロンドンにまた帰って来る』って言ったんですけど、それが実現できてないところが残ってるというか。ロンドンはザックの地元かもしれないですけど、ロンドンのお客さんはすごい温かいイメージがあるので、そんなにマイナスなことは考えてなくて、むしろ楽しみしかないですね」

――SANADA選手の挑戦表明にザック選手が二つ返事で受託しましたが、その時の感想はいかがですか?

SANADA「純粋にすごくうれしかったですね。そのあとに翔太とかTKGが来たんですけど、『そこは二人ではないだろ』と。なぜかって言うとSANADAとザックの試合は決まってましたし、そのロンドンでIWGP戦をするっていうことはロンドンのお客さんも喜ぶと思いますし、今日ここで決まって素直にうれしいですね」

※両者が調印書にサイン。フォトセッション後に握手

▼ザック「楽しみ」

▼SANADA「サンキュー」

▼ザック「SANADA、次の挑戦者は翔太と鷹木のどっちにする? 俺はG1で二人に負けている。だから、二人とも同等に挑戦する権利があるでしょう。何かプランはある? ノーアイデア? 自分たちで勝手に決めるのはアンフェアなので、くじ引きでもいいと思います。もちろん僕が勝つんだけど、チャレンジャーを決めておきますか?」

※鷹木と海野の写真が入った封筒が用意され、ザックが鷹木、SANADAが海野を引く

▼ザックは「次の挑戦者が決まりましたね。こんな決め方初めてじゃないですか。最後になるかもしれないね。ロンドンで防衛するので次の防衛戦は鷹木で決定です」

▼SANADA「G1では勝ってるんで、あまり刺激がないというか。でも一番気になったのが昨日のブーイングですね。翔太に対してのブーイングがすごい気になったので、もっとブーイングを起こさせたいなと思っております」