現地時間10月13日(日本時間14日、日付は以下同)、2024年のバスケットボール殿堂入り式典がマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで開催され、元ロサンゼルス・レイカーズのマイケル・クーパーが殿堂入りを果たした。
1978年のドラフト3巡目全体60位指名を受けてNBA入りしたクーパーは、201cm・77kgの細身のウイングプレーヤー。12年のキャリアをレイカーズ一筋で全うし、マジック・ジョンソンやカリーム・アブドゥル・ジャバーらとともに“ショータイム・レイカーズ”の一員として、1980、82、85、87、88年と計5度のNBAチャンピオンへ輝いた。
レギュラーシーズン通算成績だけ見れば、873試合の出場で平均27.1分、8.9点、3.2リバウンド、4.2アシスト、1.2スティールと、殿堂入りに値するとは言えないかもしれない。ただ、彼の特筆点はディフェンスを筆頭に、数字に表われにくい部分。それが当時のチームにとってどれだけ重要だったかは、式典にメッセージを寄せたレジェンドたちの言葉からもわかるはずだ。
マジックは「私がみんなに言い続けているのは、スタッツや数字だけで彼のインパクトをジャッジできないということ。クープはシックスマンではない。スターター級のプレータイムを得ていたし、(コート上で)試合を締めくくっていた。それに彼はベストな相手と対戦してきた」とコメント。
現役時代にマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)やラリー・バード(元ボストン・セルティックス)、ジュリアス・アービング(元NBAフィラデルフィア・セブンティシクサーズ)たちをガードしてきたクーパーを、元同僚ジェームズ・ウォージーもこう語る。
「もちろん、あの頃のレイカーズでマジックとカリームは素晴らしいリーダーだった。でもクーパーは(チームを好守で結び付ける)グルーガイで、あのチームのハートビートだったんだ。毎試合、どの練習でも150%の力を持ち込んでいた」
当時レイカーズで指揮を執っていたパット・ライリー(現マイアミ・ヒート球団社長)が殿堂入り式典のスピーチ前に流れた映像で「ペリメーターディフェンダーたちのGOAT(史上最高の選手)だ」と評したとおり、クーパーの真骨頂はその粘り強くタフなディフェンスにあった。
キャリア12シーズンで8度のオールディフェンシブチーム選出はコビー・ブライアント(12度)に次いでフランチャイズ史上2位で、1986-87シーズンには球団史上唯一の最優秀守備選手賞(DPOY)にも選出。
マジックにカリーム、ウォージーなど“ショータイム・レイカーズ”のメンバーは複数が殿堂入りしたのだが、強烈なファストブレイクを生み出すディフェンスで絶大な貢献を見せてきたクーパーの殿堂入りも、当然の結果と言っていいのではないだろうか。
文●秋山裕之(フリーライター)
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