10月15日、阪神が大阪市内で藤川球児氏の監督就任会見を行った。藤川氏は現役引退後は球団本部付きスペシャルアシスタントに就いており、以前から次期監督として名前が挙がっていただけに、驚きの声はない。

 会見で藤川氏は岡田彰布監督から指揮を継いだことについて「必然」や「運命」などという言葉を出していたが、その岡田氏は今後、球団にどうかかわっていくのか。

阪神では実績ある監督にはフロントが席を用意するのが慣例。1990年から95年まで監督を務めた中村勝広さんのゼネラルマネジャー(GM)しかり、3年連続最下位だったダメ虎を再生させた星野仙一さん(2002年~03年)のオーナー付シニアディレクターしかりです。岡田さんも10月6日に退任が発表された際、同時に来季からフロント入りすることも明らかになっている。ただしポイントは、来季の編成権を岡田さんが持てるかどうか。栗井一夫球団社長は『いろんな意味で支えていただこうと思ってます』とはしているものの、単なる形だけのポストが用意される可能性もあります」(夕刊紙記者)

 実は岡田氏は“続投”を希望していたという声もある。

「監督の続投要請は来季に向けたドラフト会議が毎年10月下旬にありますから、8月中、遅くとも9月初旬には打診や要請がある。それが無かったわけで、シーズン終盤に入ってからの岡田監督のご機嫌はとにかく悪かった。まあ、チーム状態がピリッとしなかったせいもあるのでしょうが」(古参の阪神担当記者)

 阪神は13日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでDeNAに完敗し終戦。試合後の囲み取材で岡田氏は「ひっどいなあ。最後の最後に」と苦笑いしつつも、来季について聞かれると「知らんがな。何でそんなの言わなアカンの? 何も決まってないのに」とイラ立ちを隠せなかった。そして体調不良を理由に球場でのファンへの直接の挨拶もなければ、退任会見すらなし。「現役時代から風邪とか体調不良とか、そんなことは絶対になかった男。来季のことが“心労”になったんや」と話す阪神OBもいるほど、後味の悪さだけが残っている。

小田龍司

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