引退表明のナダルがシナー、アルカラスと“ビッグ3”を比較する声に異議!「今は彼らと我々を比べる必要はない」<SMASH>

 次代の男子テニス界を担うニューヒーローとして注目を浴びているヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位/23歳)とカルロス・アルカラス(スペイン/同2位/21歳)。まだ20代前半にしてすでに数々の輝かしい功績を残している2人は、長年ATPツアーを牽引してきた“ビッグ3”(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)と比較されることも多い。

 そのことに違和感を示したのが、11月のデビスカップ(国別対抗戦)での現役引退を発表した元世界王者のナダルだ。

 現地10月16日にサウジアラビア・リヤドで開幕した「シックス・キングス・スラム」に参戦する38歳のナダルは、先日同エキジビジョンマッチを無料配信するスポーツ専門のストリーミングサービス『DAZN(ダゾーン)』のインタビューに登場。その中で今季互いに四大大会2勝ずつを挙げたシナーとアルカラスの活躍を大いに称賛しつつ、両者をビッグ3と比較する声に異論を唱えた。

「彼らはとても若いが、すでに(多くの)素晴らしいことを成し遂げている。四大大会やそれに次ぐマスターズでも優勝し、素晴らしい成績を生み出している。カルロスとヤニック、この2人は特に特別なことを成し遂げていると思う」
 「だが(2人が今後どうなるかについては)まだ待つ必要がある。今年はすでに2人ともグランドスラムで2回優勝している。しかも世界ランキングはそれぞれ1位と2位。彼らは自分たちの物語を創り上げている段階だ。今は時代を比較する時ではないと思う。なぜならノバク(ジョコビッチ)はまだいるからだ。一方でロジャー(フェデラー)はツアーを去り、僕ももうすぐ去る。ただそれは、誰から見てもスポーツ選手としてのキャリアの一部にすぎない」

「今は新しい世代の選手たちが台頭している。彼らはのライバル関係や、自身の物語を作る必要がある。今は彼らと我々(ビッグ3)を比べる必要はない。キャリアの終わりが来た時に、彼らが成し遂げたことと、我々が成し遂げたことを比較できるかどうかを見てみれば良いだろう」

 なおシックス・キングス・スラムの準決勝(18日午前1時30分より配信開始)から登場するナダルが対峙するのは、奇遇にも同胞のアルカラス。おそらくナダルの現役中にこの対決が見られるのは最後となるだろう。新旧スペインテニス界のスーパースターがどんなプレーを見せてくれるのか注目しよう。

文●中村光佑

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