現地時間10月16日、シカゴ・ブルズはホームのユナイテッド・センターで行なわれたミネソタ・ティンバーウルブズとのプレシーズンマッチを125-123で制し、2勝2敗の五分とした。
コビー・ホワイトがゲームハイの23得点に4アシスト、ザック・ラビーンが19得点、5リバウンド、4アシスト、ニコラ・ヴュチェビッチが17得点、12リバウンド、3スティール、パトリック・ウィリアムズが12得点、6リバウンド、ジョシュ・ギディーが4得点、9アシスト、3ブロックをマーク。
さらにベンチからテイレン・ホルトン・タッカーが17得点、4リバウンド、5アシスト、ジェイレン・スミスが10得点、8リバウンド、3アシストと新加入組もそれぞれアピールに成功した。
もっとも、この日の主役はロンゾ・ボール。これまで左ヒザの関節鏡視下手術を3度も受け、直近2シーズンの全休を余儀なくされてきた男が待望の復帰を果たしたのだ。
ボールは第1クォーター残り6分8秒のタイムアウト明けにギディーと代わってコートイン。2022年1月14日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦を最後にコートから遠ざかっていた司令塔は、会場に集まったファンから温かい拍手で迎えられると、5分25秒にさっそく3ポイントをヒット。第1クォーター残り1分27秒にも2本目を決めるなど、計15分7秒のプレータイムで10得点、1リバウンド、1アシスト、1スティール、1ブロックで復帰戦を終えた。
「観ているよりもプレーしている方がずっといいと感じたよ」と試合後に語った198cmの大型PGに対し、ブルズはロッカールームで復帰を祝福し、試合球をプレゼント。18日のクリーブランド・キャバリアーズとのプレシーズンマッチ最終戦でも「間違いなく」プレーするとボールは語った。
2年半以上もコートから離れていた男がこうして復帰するまでの道のりは、決して簡単なものではなかっただろう。この日のシュートアラウンド後、ボールは「キャリアをスタートさせた時と同じ身体ではない。けど自分はまだコート上で生産的かつ効果的だと思っている。だからこそ、またプレーしようと努めてきた」と語り、復帰の過程を振り返った。
「本当にすごく長かった。でも振り返ってみると、自分が思っていたよりもずいぶん早く過ぎていった。チームは(3度目の手術から)18か月以上も要する回復を後押ししてくれた。当時、それを耳にした時はクレイジーに思えた。でも今僕はここにいる。もう過ぎ去ったことさ」
現在2シーズン連続でプレーオフ出場を逃しているブルズ。今季も決して下馬評は高くないが、復活したボールの存在が心強いことは間違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)