60歳を越えてから、ピアニストとして脚光を浴びるようになったフジコ・ヘミングさん。今年4月に92歳で亡くなる直前まで、ピアニストとして活動していました。

そんなフジコさんの日々をとらえたドキュメンタリー『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』が10月18日より公開。フジコさんの「恋する」瞳から、恋を長続きさせる方法を教えてもらいましょう。

 
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■永遠のピアニスト

(©2024「恋するピアニストフジコ・ヘミング」フィルムパートナーズ)

フジコ・ヘミングさんは1931年12月5日、日本人ピアニストの母とスウェーデン人画家の父の間に生まれました。

母からピアノの手ほどきを受け、17歳でデビュー。東京藝術大学を卒業後は、ドイツに留学しますが、風邪をこじらせたのが原因で、聴力を失ってしまいます。

耳の治療を続けながら、ヨーロッパを中心に活動していたところ1999年、NHK ETV特集『フジコ~あるピアニストの軌跡~』がきっかけとなり、一躍時の人に。以降、2024年4月にその生涯を閉じるまでピアニストとして活躍しました。

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■ フジコ・ヘミングのコンサートへようこそ

(©2024「恋するピアニストフジコ・ヘミング」フィルムパートナーズ)

本作でメガホンを取ったのは、小松莊一良監督。2018年、安室奈美恵さんの引退ライブ作品の監督を務めるなど、音楽関連の映像作品には定評のある小松監督は、「コンサートシーンを丁寧かつゴージャスに撮ったつもり」と語ります。

時には「フジコさんの想いがどのように演奏に昇華されていくのか」を表現するために、17台ものカメラでフジコさんの指先のアップを撮ったそう。

確かにあらゆる角度から映し出される「ピアニスト・フジコ」は、ダイナミックでありながらも繊細。まさに「フジコ・ヘミングのコンサート」を体感できます。

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■生涯をかけて恋をするには

(©2024「恋するピアニストフジコ・ヘミング」フィルムパートナーズ)

いざピアノの前では、重厚かつ優美なオンのフジコさんですが、オフでは絵を描いたり、猫と戯れたり、かわいらしい姿を披露。

タイトルをつけた小松監督によると「『恋する』いうと恋愛をイメージするかもしれないけれど、自分の好きなものに対してときめくという生き方」の意味が込められているのだとか。

つまり絵にも、猫にも、とりわけピアノにも、フジコさんは生涯をかけて恋していたのでしょう。90歳を過ぎてなお、激しく鍵盤を叩く練習風景は、私たちに「好きなものに対して、ずっとときめいていて」というメッセージなのかもしれません。

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『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』
10月18日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー
公式サイトはこちら

(取材・文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ