ノリスがポールポジション獲得! フェルスタッペンの”最速タイム”は他車クラッシュで幻と化す。角田裕毅11番手|F1アメリカGP予選

 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されているF1第19戦アメリカGP。予選セッションでは、マクラーレンのランド・ノリスがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は11番手だった。

 今季4回目となったF1スプリントでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが勝利。その後短い時間ながらも一度パルクフェルメが解除され、予選・決勝に向けて各チームともマシンに調整を行なった。

 また開催2日目は天候に恵まれ、予選が開始される頃には気温29度、路面温度39度というコンディションだった。

■新顔ローソンが魅せる|Q1

 トップ15入りを決める18分間の予選Q1。スプリント週末のため新品ソフトタイヤの手持ちセット数が心もとないこともあり、序盤では多くのドライバーがユーズドタイヤを使用した。

 まずはノリスが1分34秒029でトップに立ったが、その後フェルスタッペンが1分33秒690で首位に浮上した。

 残り10分を切る頃には新品タイヤを投入していたドライバーがタイムシート上位へ。フェラーリのシャルル・ルクレールが1分33秒241のトップタイムを記録するまでは、アルピーヌのピエール・ガスリーが首位に立っていた。

 COTAが路面の一部再舗装を行なっていたこともあり、路面の改善幅も例年に比べ大きいのか、Q1最終盤にはリスクを考え全車がコースイン。最後のタイム計測を行なった。

 ここでフェルスタッペンが1分33秒046でトップタイムを更新。このタイムを上回るドライバーは現れず、スプリントでポール・トゥ・ウィンと好調のフェルスタッペンがまずはQ1トップ通過を果たした。

 ルクレールが2番手、ダニエル・リカルドに代わって今回からRBでドライブするリアム・ローソンが3番手通過となった。11番手通過の角田とのタイム差は0.456秒と、いきなりスピードを見せつけた。

 一方でメルセデスのルイス・ハミルトンは、トラックリミット違反の影響もあり19番手でQ1敗退。この他にもウイリアムズ勢やキック・ザウバー勢もここで姿を消した。

■角田裕毅、あと一歩及ばず|Q2

 トップ10入りを決める15分間のQ2。まずはフェルスタッペンがユーズドタイヤを履き、隊列の先頭で1分33秒052のターゲットタイムを記録した。

 マクラーレン勢は少しタイミングを遅らせてコースイン。新品タイヤを武器にノリスが1分32秒851で浮上すると、チームメイトのオスカー・ピアストリも3番手で続いた。

 なお、RBのローソンはパワーユニット交換によってグリッド最後尾が決まっていたため、角田にストレート区間でスリップストリームを与える役目を負うことになった。

 各車がタイムを計測した時点で角田はトップ10圏内につけていたものの、ローソンのスリップストリームから抜け出す際にダストを拾ってしまったとして、アプローチの変更をチームメイトに要求していた。

 残り3分を切るとノリス以外のドライバーが新品ソフトタイヤでコースへ入る。ここでフェルスタッペンは1分32秒584でQ2最速の座を奪い返し、Q1に続いてトップ通過を果たした。

 結果的にレッドブルとフェラーリ、マクラーレンが2台揃ってQ3へ進出。メルセデスのジョージ・ラッセル、ガスリー、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、ハースのケビン・マグヌッセンがトップ10に食い込み、駒を進めた。

 角田はQ2終盤でも再びローソンのスリップストリームを得たが、Q3進出まで0.032秒届かず11番手。ターン1でロックアップを喫したハースのニコ・ヒュルケンベルグ、アルピーヌのエステバン・オコン、アストンマーティンのランス・ストロール、タイム計測を行なわなかったローソンがQ2敗退となった。

 なおローソンがQ1で記録していた1分33秒339であれば、9番手でQ3に進出できていたことになる。

■最終盤にまさかの出来事|Q3

 ポールポジションを決める12分間の予選Q3。手持ち新品ソフトタイヤが1セットしかないマグヌッセンが最初にユーズドタイヤを履いてベンチマークとなる1分33秒481を計測した。

 それを新品ソフトタイヤ勢など各車が上回っていき、ノリスが1分32秒230で首位に浮上。フェルスタッペンは0.031秒届かず2番手となった。3番手につけたフェラーリのカルロス・サインツJr.はノリスから0.322秒差と、トップ2が抜け出す形となった。

 タイミングをずらしたアロンソが8番手でタイム計測を完了する中、他9台がコースイン。ガスリーを除き、新品タイヤで最終アタックへと向かった。

 フェルスタッペンがセクター1から全体ベストを叩き出しポールポジションを手中に収めようとしたが、なんとラッセルがターン19出口でハイスピードクラッシュ。幸いドライバーに大きな怪我はなかったものの、イエローフラッグが振られたことで、各車はアタックを中断せざるを得なかった。

 その影響によりタイムを更新するドライバーは現れず。ノリスが自身7回目となるポールポジションを獲得した。パルクフェルメでノリスは、現状マクラーレンが“最速”ではないとしつつも、自身にできる最大限を発揮することができたと語った。

 フェルスタッペンは2番手。タイトルを争う2名が決勝レースのフロントロウに並ぶこととなった。3番手となったサインツJr.も最終アタックではノリスを上回るスピードを見せていた。

 4番手ルクレール以下、ピアストリ、ラッセル、ガスリー、アロンソ、マグヌッセン、ペレスというトップ10の並びとなった。