ノリス会心アタックで望外のポール獲得「2度目のアタックで改善できそうにない、キャリアベストのラップだった」

 マクラーレンのランド・ノリスは、F1アメリカGP予選でポールポジションを獲得。0.031秒差でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えたポールラップを、キャリアベストの走りだったと振り返った。

 予選Q2では、トップのフェルスタッペンから0.3秒遅れの3番手だったノリス。フェルスタッペンにとってポール争いの脅威にはならないかと思われたが、両ドライバーが新品ソフトタイヤを履いたQ3ではノリスが最初のアタックで1分32秒330をマーク。Q2から0.5秒タイムを更新し、フェルスタッペンを僅差で上回った。

 2度目のアタックでは、フェルスタッペンがセクター1で全体ベストの速さを見せていたが、ターン18でメルセデスのジョージ・ラッセルがクラッシュし赤旗掲示。展開にも恵まれたノリスがポールポジションを獲得した。

 ノリスは無線で、自分のラップは「ビューティフル」だったと語った。後にこの発言を説明したノリスは、もう一度チャンスがあったとしても、Q3最初のラップを繰り返すことはできなかったと考えていたと明かした。

「おそらく、僕のキャリアの中でベストだと思う。とてもいいラップだった」

「僕はハードルを上げすぎた。というのも、2周目には『みんな、あまり改善できそうにない』と思っていたからだ」

「クルマからはすべてを出し切った。スプリントレースから今日の予選まで、かなりの部分を変更したし、間違いなく一歩前進した」

「でも、まだかなり苦戦していたから、もう少しリスクを冒して、もうひと踏ん張りしないといけないと思っていたんだ。でも、このラップを繰り返すことはできなかった」

「だからとてもうれしい。今日はここ(記者会見)に来れるとは思っていなかったからね」

 ノリスは、マクラーレンが高速セクターでレッドブルに劣っていたと説明。最もリスクを冒していたのはどこかと尋ねられ、タイムを出すためには高速コーナーでもう少しマシンをプッシュする必要があったと答えた。

「正直なところ、どこでもそうだったんだけど特にハイスピードでレッドブルに追いつくのに苦労していた。マックスは第1セクターと高速(コーナー)で非常に速かったんだ」

 マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、ノリスのQ3最初のタイムが 「かなり完璧」だったことに同意し、2回目の走行でそれを改善するのには苦労していただろうと述べた。

 ステラ代表は、マクラーレンがスプリントレース後にセットアップを改善し、日曜日のレースではMCL38がスプリントレースよりもタイヤのデグラデーションに悩まされないことを期待していると付け加えた。

「1周目はかなり完璧だった。ランドが2セット目のタイヤでタイムを改善するのは難しかったと思う」

 ステラ代表はSky F1にそう語った。

「フェルスタッペンが速いラップを刻んでいるのが見えたから、ポールポジションという点では問題だったかもしれない。だから黄旗が我々を助けてくれたと思う」

「全体的に、スプリントでのパフォーマンスからマシンを改善できたのは心強い。セットアップのチューニングも行なった。ドライビングの面でも、理解が進んだ部分があると思う」

「ランドとオスカー(ピアストリ/5番手)がすべてをまとめてくれた。グリッド位置は明日に向けて重要だ。スプリントではタイヤのデグラデーションがひどかったが、それを減らすことができればと思う」