両国国技館 (C)週刊実話Web
ヒールが弱けりゃ、盛り上がらない。関脇大の里(24)の2度目の優勝で幕を閉じた大相撲秋場所は、ある意味で低調だった。対抗馬があまりにもモロすぎたからだ。
その中でも、大きく期待を裏切ったのが大関豊昇龍(25)だった。
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豊昇龍は体重を念願の150キロ台に乗せ「これで押されなくなった。動きも悪くない」と胸を張っていたが、いざ本番に突入すると、序盤から黒星が先行。6日目には、西前頭2枚目の王鵬にすくい投げで敗れて早くも4敗目を喫した。
「豊昇龍は悔しさのあまり一礼せずに花道を下がり、呼び出しに呼び止められて再び土俵に戻り、礼をやり直す不始末をしでかした。問題横綱だった叔父の朝青龍譲りのヒール役にもってこいです」(大相撲担当記者)
こんなプッツン状態だから、過去に対戦した3番とも下手投げで土俵に叩きつけてきた大の里戦にも完敗(14日目)。おまけに千秋楽を待たずの優勝、さらには史上最速の大関昇進確定の3場所で33勝目を大の里に献上した。
八角理事長が「いまの立ち合いだ」
7勝7敗で迎えた千秋楽、琴桜を破ってなんとか勝ち越しはしたものの、豊昇龍の評価はすっかり地に落ちた。
このままシッポを巻いて引き下がっては新大関の大の里に独走を許してしまい、対照的な2人の競り合いを期待する大相撲ファンは面白くない。
そんな声に応えるように、目下、日本列島を九州に向かって南下中の秋巡業で、豊昇龍は別人のように改心し猛稽古に励んでいる。
「琴桜、大の里の3大関の中では最も稽古を始めるのが早く、巡業2日目はもう土俵に上がって申し合いを始めています。10月6日の石川県金沢市巡業には八角理事長も東京から駆けつけ、3大関による異例の申し合いも行われましたが、ここでも7勝3敗と2大関を圧倒していた。引き上げる際に八角理事長から『いまの立ち合いだぞ』とわざわざ声を掛けられたそうで、『やっぱり大の里には負けられない』と打倒大の里を誓っていました」(同)
果たして、豊昇龍のヒールならぬ優等生ぶりがどこまで本物か。九州場所は11月10日から始まる。
「週刊実話」10月31日号より