ローソン、スプリントで火花散らしたアロンソの”脅し”にも臆さず「なんで怒っているのか分からないけどね」

 RBのリアム・ローソンは、F1アメリカGPのスプリントレースで火花を散らしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)から怒りを買った。

 ダニエル・リカルドに代わり今回からRBのシートに座ったローソンは、スプリントレースを15番手からスタートすると、1周目から前を走るアロンソに攻撃を仕掛けた。

 ターン11でインに飛び込み、アロンソをコース外に押し出すような形になったローソンは、続くストレートでもクルマを左右に振ってアロンソを抑えにかかった。

 その後の周回でも、バックストレートエンドのターン12でローソンと交錯しかけたアロンソは無線で怒りを爆発させ、「アルファタウリのアイツは、なんて馬鹿なやつなんだ」と、思わずRBの旧チーム名を叫んで不満をあらわにした。

 16位でレースを完走したローソンは、パルクフェルメでアロンソに捕まり口論している様子も国際映像で捉えられた。

 ふたりの遺恨はこれで終わらず、午後の予選Q1ではピットから出たアロンソが、コース上を走っていたローソンに接近。ローソンのミラーに自身のマシンを映すかのようにアロンソはマシンを左右に振り、ターン1でローソンを抜いていった。

 予選後、ローソンは「分からないけど、彼は僕に『潰すぞ(he would screw me)』と言ったんだ。彼はその言葉通りにしたんだと思う」と語った。

「彼は本当に怒っていた。僕たちは16番手を争っていたのに、なぜあんなに怒っていたのかわからない。それが現実なんだ。彼がそれを乗り越えて、前に進めるといいね」

「”ゲーム(駆け引き)”という枠から外れてしまっていた。そういうことだよ。気にならないけどね」

「彼がかなりひどいレースをしたことは理解している。でも、もし僕が何か悪いことをしていたら、ペナルティをもらっていただろう」

 自身にとって今季初のレースで、アロンソをライバル視していたかと聞かれたローソンは、「ライバル関係にはないと思う!」と答えた。

「レース中にアクシデントがあっただけで、それを乗り越えて前に進めばいいんだ」

 アロンソはセッション後、ローソンに何を言ったかについては語ろうとしなかったが、2人のバトルが「不必要」だったと感じていたという。

「それは僕たちだけの問題だ」とアロンソは話した。

 何があったのかと尋ねると、アロンソは次のようにmotorsport.comに語った。

「予選? 予選で何があったかって? ああ、スクラブしたタイヤセットだったから、タイム計測ラップに集中できなかったんだ。だからあそこであれ以上タイムを失いたくなかった」

「それによって彼が変わることはないと思う。でも今日のスプリントで、彼はとてもハードに戦ったよ。僕の意見では、彼は一生懸命16位か17位を争っていた。でも僕たちにできることはなにもない」

「ご存知の通り、2台のうちの1台がリフトオフすれば(アクセルを抜けば)、アクシデントは起こらない。今日もそうだった」

「サーキットにいる全員が望む通りに動いている。そして僕としては、今日のことは不必要だった。みんな違う意見を持っていい。僕はそれでいいと思う。24レースもあるから、旅のどこかでそういうことは起きる」

「ストレートでは、2年前にランス(ストロール)とやったように、時速300kmでクラッシュしそうになった。1周目でね」

「大げさに取り上げたくはないけど、ターン16や17でアクセルを緩めてもペナルティが科されなかったことに何より驚いた」

 さらに質問を受けたアロンソだが、「予選についてもっと聞きたいんだろうけど、あまり重要なことじゃないよ」と煙に巻いた。