“打倒トムス”へ闘志メラメラ! DENSO SARD関口&中山が明かす久々勝利の裏側。タイトルに向け「掴みかけている感じがする」

 セーフティカー4回と波乱の展開となったスーパーGT第7戦オートポリス3時間レースを制したのは、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛/中山雄一組。チームと中山にとっては2020年以来4年ぶり、関口にとってはトムス時代の2021年以来3年ぶりの勝利となった。

 予選は10番手に終わった39号車スープラだが、決勝では関口が序盤から好調なレースペースで順位を上げ、上位争いの一角に。その後は中山がバトンを受け継いだが、2回目のピットストップに向かったタイミングでちょうどセーフティカーが出るという幸運も味方につけ、レースリーダーとなった。

 その後もライバルの追撃を凌いでトップチェッカーを受けたDENSOスープラ。波乱のレースで展開を味方につけた部分もあったとはいえ、上位争いに加われたのはレースペースの良さがあったからこそ。これには予選後にチームが一丸となって取り組んだセットアップ変更の成功が要因になっているという。

 関口は記者会見で次のように語った。

「予選でもう少し前にいくつもりだったのですが、沈んでしまいました。(予選・決勝の)ワンデー開催で予選と決勝のインターバルが短い中、脇阪(寿一)監督が方向性を変えようと言ってくださり、それに従った形でいくことになりました」

「チーム代表もセットアップに関わっているのですが、代表からも『もっといっていいんじゃないか』と後押ししてくれました。それがすごく良かったです。ドライバーの走りは4時間ですぐに変わるようなものではなく、やっぱりクルマが良かったことが大きいです。チームに感謝しています」

「開幕戦で2位に入った後は苦しい時間が長く、チームもみんな苦しかったので、今日の結果を得られて嬉しいです」

 相方の中山も、チームが悩み抜いた末でセットアップ変更を決断したと語ったが、スタートスティントの関口の走りを見て「今日は行けるぞ」と思ったという。そしてピットインのタイミングも含めて「全てのピースがハマった」と語り、最後は自らの名字にちなみ「ナカヤマ精密コーナー(1コーナー)で見せ場は作れませんでしたが……」とジョークを飛ばして笑いを誘った。

 また中山曰く、今回チームが悩んでいた部分は昨年のオートポリス戦でも苦戦していた領域とのこと。「昨年のオートポリスで抱えていた問題が今回も出たのですが、それをしっかり解決できました。もてぎも同様にクリアできると思うので、チャンピオンシップを考えて強いレースをしたいです」と残り2レースに向けて力強いコメントを残した。

 実際、DENSOスープラのふたりは今回の勝利でタイトル争いにも踏みとどまった。現在はランキングトップの36号車au TOM'S GR Supraと14点差のランキング7番手。残り2レースでの活躍次第では、逆転タイトルも視野に入ってくる。

 今季は全体的に好調なスープラ勢だが、関口はポイントリーダーのau TOM'Sスープラを目標としていると語る。この「掴みかけている」感覚を、残りのレースに向けて確固たるものにしたい構えだ。

「僕らはトヨタスープラ勢の中でも、36号車の強さを目標に頑張っています」

「今日の決勝前に変えたものが関係ありそうな気がします。掴みかけている感じがするので、それを確立して、次のレースに繋がられるよう頑張ります」