フェラーリ、タイトル争いに名乗り……アメリカで望外の1-2フィニッシュ。ルクレール「道のりは長いけど……狙っている」

 F1アメリカGPで1-2フィニッシュを達成したフェラーリは、コンストラクターズランキングでレッドブルから8ポイント、首位マクラーレンと48ポイント差に迫った。この結果によりフェラーリは、今季のチャンピオン候補の一角に、確実に名乗りを上げた。

 フェラーリはアメリカGPの予選で3番手カルロス・サインツJr.、4番手シャルル・ルクレールと、グリッド2列目を占めることになった。

 そして迎えた決勝レースでは、フロントロウのランド・ノリス(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が牽制し合う中、ガラ空きとなったターン1のイン側に飛び込んだ。これでルクレールが先頭、フェルスタッペンを挟んで3番手にサインツJr.がつけた。

 先頭に立ったルクレールはハイペースで飛ばし、フェルスタッペンとの差の広げに広げ、何ら危うい場面を迎えることなくトップチェッカー……今季3勝目を挙げた。またサインツJr.は、フェルスタッペンをアンダーカットして2番手に浮上し、そのまま56周を走り切った。フェラーリの1-2フィニッシュの完成である。

 この結果フェラーリは、今季のコンクストラクターズポイントを496ポイントまで積み増すことに成功。これで544ポイントで首位のマクラーレン、504ポイントでランキング2番手のレッドブルの背中がハッキリ見えてきた。

 レース後にルクレールは、今やフェラーリは、今季のコンストラクターズタイトル争いの一角に、間違いなく加わることができたと感じていると語った。

「これまで楽な週末なんてなかった。マシンのフィーリングにも苦労したけど、レースではフィーリングが良くなるという自信があった。実際にそうなったんだ」

 そうルクレールは語った。

「他のドライバーたちがもっと近づいてくると思っていたけど、僕らは優位に立つことができた。今日の1-2には本当に満足している。こんなことは、夢にも思わなかった」

「(スタート直後の)ターン1はなかなか良かった。まさに僕がやりたかったことだ。スタートもうまく決まった。第2スティントでは、後方をコントロールすることが全てだったが、素晴らしい仕事ができた。マシンのペースも良かった。それらは主に、エンジニアみんなのおかげだ」

「彼らはここ数ヵ月、シンガポールをはじめとして、過去数レースで投入したアップグレードを用意するために必死に取り組んできた。それが報われているようだ」

「チーム全体が非常にうまく機能しており、ピットストップも本当に良かった。全てがうまくいき、とても満足している」

 そしてルクレールは、まだタイトルを諦めないと高らかに宣言した。

「今もまだ、タイトルを狙っている。道のりはまだ長いけど、この3連戦に向けてとても良いスタートを切ったんだ」

 チームメイトのサインツJr.も、タイトルを狙うというルクレールの発言に同意した。しかしながら、ターン1で首位に立てず、それが結果的に勝利を逃すことにつながってしまったと悔やんだ。

「これは、コンストラクターズタイトル争いで、今の僕らが望んでいる場所に進むことができたという結果だから、フェラーリの全員にとってとても嬉しいことだと思う」

 そうサインツJr.は述べた。

「同時に、レースのほとんどはスタートで決まるだろうと分かっていた。そしてランドとマックスが、ターン1で激しくやりあうだろうということも、分かっていたんだ。でも残念ながら僕は最悪の状況に陥ってしまい、リードを奪うことはできなかった」

「タイヤマネジメントは、間違いなく今年のマシンの強みになっている。スティントをどれだけ長く続けられるのか、どれだけデグラデーションが少ないのかということに貢献してくれている。これには満足しているし、昨年よりもずっとレースを楽しめるようになった」

「これまでのレースで僕らは、ポジションを守ろうとして、そして結果的に失うということが多かった。でも今年は攻撃モードでいって、オーバーテイクすることができる。だから楽しいよ。この調子が今後も続くといいな」