角田裕毅、アメリカGPではチームメイトのローソンが入賞する一方で無得点「次のメキシコはすぐ……僕はもっと強くなって戻ってきます」

 RBの角田裕毅は、F1アメリカGPの決勝レースは10番グリッドからスタートしながら14位でフィニッシュ。ノーポイントに終わったばかりか、新たにチームメイトとなり、9位に入ったリアム・ローソンの後塵を排する形となった。

 この結果について角田は、フラストレーションの溜まるレースであり、戦略を見直す必要があると語った。

 角田は他の多くのマシン同様、ミディアムタイヤを履いてスタートに臨んだ。スタート直後は2台を抜き、まさに順風満帆の船出となった。しかし予想以上にタイヤの劣化が進んだことから、角田は全車の中でも最も早い部類である18周目を走破した時点でピットインし、ハードタイヤに交換せざるを得なかった。

 ただこの時点で残りの周回数はあと38周。いくらハードタイヤに履き替えたとはいえ、それだけの距離を走り切るためには徹底したタイヤマネジメントが必要だ。そのため角田は第2スティントの最初を抑えたペースで走行。デグラデーションに苦しむのを避けようとした。

 本来ならば先にタイヤを交換した場合、その新しいタイヤのパフォーマンスを活かして、後にタイヤ交換を行なうドライバーたちよりも先行できるはず……いわゆるアンダーカットが成立するはずだ。しかし角田陣営は、タイヤマネジメントに集中しすぎた結果ペースを落としすぎ、アンダーカットを成立させることができず、本来ならば後続にいるはずのマシンに先行を許す形となった。

 その中のひとりがローソン。ローソンは角田とは逆にハードタイヤでスタートし、後にミディアムタイヤを履く戦略を採った。これが功を奏して9位入賞。チームにとっては貴重な2ポイントを持ち帰った。

「今日は厳しく、フラストレーションの溜まるレースでした」

 角田はチームのプレスリリースにそうコメントを寄せた。

「僕は1ストップのレースで、ミディアムタイヤを履いてスタートしました。でも、他のドライバーの何人かは、最初のスティントを長く走るために、ハードタイヤを履いてスタートするという、僕とは異なる戦略を採っていました」

「僕らはそれについて見直して、何かもっとうまくできたことはないのかを理解し、将来のために学ばなきゃいけないと思います」

 またポジションを下げた角田は、前を行くピエール・ガスリー(アルピーヌ)を抜きに行こうとしてスピンし、順位を下げた。もしガスリーを攻略できていたならば、ローソンに次ぐ10位、もしくはローソンを抜いて9位という結果も可能だったかもしれない。

「僕はレース後半でミスを犯してしまいました。ターン1でコントロールを失い、スピンしてしまったんです。そのことは間違いなく、僕らのレースにはプラスに働きませんでした」

「とても奇妙な瞬間で、何が起きたのかわかりませんでした。だから、間違いなくそれを見直す必要があります」

「すぐにメキシコでのグランプリです。僕はもっと強くなって戻ってきます」