著作権違反の疑いがあった!? ピレリ、F1アメリカGPで予定していたトロフィーの授与を急遽中止……代替品を用意

 サーキット・オブ・ジ・アメリカズで行なわれたF1アメリカGPの決勝レースで表彰台に登壇した3人のドライバー、そして優勝したフェラーリの代表者に贈られたトロフィーのデザインは、事前に発表されていたものとは大きく異なっていた。これについて今回のレースのタイトルスポンサーを務めたピレリが、当初予定していたトロフィーの使用を中止したことを認めた。

 ピレリはアメリカGPの前に、イタリア人アーティストのマッテオ・マキアヴェッリがデザインしたトロフィーを発表。このトロフィーはカーボンファイバーで作られた胴体に金・銀・チタンの色の頭を取り付けた、人形のような格好をしたデザインで、優勝者に贈られる金色のトロフィーには、本物の金粉が使われていることも明らかにされていた。

 しかし優勝したシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2位カルロス・サインツJr.(フェラーリ)、3位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の3人に実際に贈られたトロフィーは、まったく違うデザインのモノだった。それどころか、ルクレールに贈られたモノはトロフィー然としていたが、サインツJr.とフェルスタッペンに贈られたのは、ポールポジション獲得後の記念撮影時に使われるミニチュアタイヤそのもののように見えた。

 これについてmotorsport.comが取材したところ、他のデザインと類似している可能性を認識したため、使用を中止したとピレリが認めた。当初ピレリが発表したデザインは、ベアブリックというブランドの彫刻等によく似ているとの指摘があった。

 ピレリは、予定していたトロフィーの使用を中止することを決めた後、代替品をアメリカ国内のオフィスから運び入れたという。

 先週初めに公開された、マキアヴェッリがデザインしたトロフィーは、レース前日にはグリッド上やピットウォールに飾られ、これらのトロフィー専用のパドックパスも発行された。そしてコレクション可能な”アートトイ”を一般向けに発売することも発表されていた。

 その類似性を考えれば、この一般向け発売が、問題を引き起こす最大の要因になった可能性もある。

 日曜日のレース終了後にピレリは、トロフィーを発表したプレスサイトのリンクを削除するまでに至った。