MotoGP第17戦オーストラリアGPの決勝レースで、ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)は12位となった。さほど好結果とは言えないものの、彼は今回のレース内容をとてもポジティブに捉えている。
ザルコはオーストラリアGP予選で14番グリッドを確保してレースをスタート。ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)やラウル・フェルナンデス(トラックハウス)、ジャック・ミラー(KTM)といったライバル達と10番手周辺を争い、最後は12位フィニッシュとなった。
苦戦するホンダにとってポイント獲得は小さくとも喜べる結果だろう。ただそれ以上にザルコが喜んだのは、発揮したレースペースと3位となったフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とのギャップにあった。
「素晴らしいペースがあった」とザルコは言う。
「ダッシュボードに見たものが信じられなかった。僕らはレース全体で1分29秒未満で走っていたんだ」
「自分の行動全てをリピートすることに完全に集中していて、前のライバルたちについていくことができた。レースペースは素晴らしいものだったから、満足しているよ」
「このバイクにはまだ限界があって、僕はその限界とともに戦っている。バイクを思う通りに曲げられないし、トラクションも同様なんだ。とても慎重にならざるをえなくて、ライバルと比較するとタイムロスが出てしまう」
「でも僕らは数ヵ月前は同じカテゴリーで戦っているようには見えなかったことを忘れるべきじゃない」
「今日、僕らは他の人達と一緒に戦っていた。ペッコ(バニャイヤ)からも10秒しか離されていなかったんだ。これはポジティブなことだ」
なおザルコが好調なのと同じく、レプソル・ホンダ陣営も今回、ルカ・マリーニが14位でポイントを獲得している。
ただザルコのオーストラリアGPにおけるパフォーマンスから、彼らが自信を深められるかというと、簡単にそうとは言い切れないところもある。
そもそもザルコは2023年にフィリップアイランドでMotoGPクラス初優勝を収めるなど、このコースとの相性がいい。そしてフィリップアイランド自体が、一般的にギャップが小さく、ライダーがバイクの欠点を補うことのできるコースだということも見逃せない。
今年のオーストラリアGPは初日に悪天候でFP1が中止され、ドライコンディションでの走りもプラクティスのみだったという時間的な制約もあったことも忘れるべきではないだろう。