スーパーGT第7戦オートポリスで、GT300クラスのポールポジションを獲得した6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI。ただ決勝レースでは苦戦し、8位でのフィニッシュとなった。タイヤマネジメントやレース展開にも苦しめられたこのレースを、ドライバーのロベルト・メリが振り返った。
今回は土曜の天候不良で日曜に予選・決勝を行なうワンデー開催となったが、日曜朝の予選ではメリが好タイムをマークしポール獲得。今季からスーパーGTに投入されたフェラーリ296 GT3にとっても初めてのポールポジションとなった。
決勝レースでは片山義章がスタートドライバーを務めたが、路面温度がタイヤの適正温度に達していなかったようで、オープニングラップで4番手に後退。その後もピックアップ(タイヤかすを拾ってしまうこと、もしくは拾ったタイヤかすのこと)に苦しめられて中団グループに落ちてしまった。
その後30周目にピットインしてメリに交代すると、54周目には少し早めの2回目ピットイン。程なくしてこの日3回目のセーフティカーが出されたが、この時点でまだ2回目のピットストップを行なっていないチームが多かったため、6号車にとっては大きくポジションを上げる恵みのSCとなった。
見た目上は中団にいながらも、事実上の表彰台争いに絡んでいた6号車だったが、メリは急激にペースダウン。これもピックアップに起因するものだったようで、6号車はルーティン外の追加ストップを実施し、タイヤを交換して追い上げることを選択したが、終盤残り15分というところでFCY(フルコースイエロー)、そして4度目のセーフティカーが出され、そのままチェッカーとなってしまったことで、万事休す。結果は8位だった。
レース後半の大幅なペースダウン、そしてその後の展開について、メリは次のように説明した。
「レース前にも予想していたけど、多くのヨコハマ勢がピックアップに苦しんだ。ピックアップがついてしまうと、ほとんどまともに走れなくなってしまう」
「最初のスティントはピックアップをうまく回避することができたけど、第2スティントでは前のマシンから突然大きなやつ(タイヤかす)が出てきて、避けられなかった。そこからは最悪。ラップタイムが悪くなってしまった」
「4番手くらいでフィニッシュできるだろうと踏んで、追加のピットストップをした。でもセーフティカーが完全に僕たちのレースを終わらせた。僕の前にはBMWやアストン、ゲイナーZ、LEONのAMGらがいたけど、彼らを追いかけていたところでセーフティカーが出て、そのままレースが終わった」
またメリ曰く、今回は付着したピックアップを取ることが難しく、ピックアップの影響をいつも以上に大きく受けたという。タイヤメーカーのヨコハマに対して改善を期待するコメントを残した。また、今回GT300クラスで優勝した88号車VENTENY Lamborghini GT3もヨコハマユーザーだが、メリによると88号車は他のヨコハマ勢とは異なるタイヤコンパウンドをチョイスしていたという。
「オートポリスでのピックアップはアウディの時から問題になっていたけど、フェラーリでは最悪だった」
「他のコースだとピックアップも落としやすいんだけど、今回は何をしても取れなかった。マシンがバイブレーションし始めて、突然グリップしなくなる……ヨコハマはオートポリスでのピックアップに関して対処が必要だと思うね」
「もちろん、ポールポジションからのスタートだったから、残念だ。色んなことがレースを難しくした。ピックアップ、ヨシ(片山)がスタートでポジションを落としすぎてしまったこと、ピットストップの内1回は、(ピットボックスが)近いマシンも入ってきたからダイブ(斜めに停車)するしかなかったこと……そういうことがなければ表彰台にも登れたかもしれない」