バラエティ番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送テレビ)で3代目秘書を務めたヴァイオリニスト・タレントの松尾依里佳(40歳)が、10月21日に放送された情報番組「ノンストップ!」(フジテレビ系)に出演。17日に亡くなった西田敏行さん(享年76)の思い出を語った。

松尾は2010年9月から約7年半にわたり、2代目秘書・岡部まりの後任として、「探偵!ナイトスクープ」に出演。当時、西田さんは2代目局長を務めていた。

この日、「ノンストップ!」にVTR出演した松尾は、西田さんと初めて顔合わせしたときの思い出について「西田さんに初めてお会いしたのが、落ち武者姿の西田さんだったんです。三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』の撮影現場にお邪魔させていただいて。『ちょっと休憩です』っていう瞬間に私の方に歩み寄ってくださって、『いやいや、初めまして』っていう感じだったんです」と振り返る。

このとき、西田さんは「後からお聞きしたら、普通の時に会ったら、きっと私が緊張してしまうんじゃないかっていうふうにすごい心配してくださって。ちょっと現実離れした時の方が、逆にリラックスしてもらえるんじゃないかっていう西田さんのお気遣いで」初めての顔合わせの場をセッティングしてくれたと話す。

また、誰よりも周りへの気遣いを重んじていたという西田さんが、仕事仲間のLINEグループに送ったメッセージも紹介。「皆さん、お変わりありませんか? 世の中、馬鹿な信じられないことばかり、ホントにしんどいっすよね。アホに行きましょうぜ。アホはかわいい」「久しぶりに元探偵諸氏と旧交を温めながら、飯でもいきましょうかね。追って連絡しましょう」。西田さんは自ら幹事を買って出るなど、仕事仲間が現場を離れたあとも交流を絶やさなかったという。

松尾が西田さんの最後に会ったのは昨年6月。「(探偵の)銀シャリの橋本さんがご結婚なさるっていうニュースで、みんなでお祝いをしようと。行ける日にちをみんなでバーッと出して、一番多かった日になりました、と。『橋本くんごめんね、橋本くんは行けない日なんだけど、みんなでお祝いしてきます』って言って」石田靖、カンニング竹山、麒麟・田村裕と、西田さん、松尾というメンバーで集まった。

そこでは「『竹山ちゃん、最近どう?』とか。とにかくみんなの話、近況を聞いて、みんなの活躍をすごい喜んでらっしゃる感じでした」とのこと。西田さんは共演者の活躍を誰よりも喜び、時に失敗したときは叱咤激励をしてくれる、父親のような存在だったそうだ。

☆松尾依里佳はInstagramでも追悼

松尾は西田さんの訃報が伝えられた10月17日に、自身のInstagramを更新。西田さんへの思いをつづった。全文は次の通り。

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西田敏行さんがご逝去されたという突然の訃報に触れ、まだ信じられない思いです。心よりお悔やみ申し上げます。

ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」の秘書として、西田局長の隣で大変お世話になりました。
VTRを見ている間、暗く照明を落としたスタジオで、局長の方を見なくても、感涙されたタイミングは気配ですぐにわかりました。依頼者の方々を愛おしみ、その思いに心揺さぶられ、笑ったり涙したりされる西田局長。その人情深さは私たち西田探偵局の精神的支柱でした。

ナイトスクープの忘年会ではいつも、演劇について、役者について、熱く語る西田さんのお姿があり、探偵のみなさまやスタッフの方々とともに、いつも心を打たれながらお聞きしていました。カラオケではいつも「もしもピアノが弾けたなら」を歌ってくださり、まわりを盛り上げてくださいました。

年下の私たちにも目線を合わせてくださり、現場では関西のいわゆる冗談で「もっと大御所感、出してもええのに(笑)」と言われていた西田さん。あの包み込むような笑顔、人の心の奥底に語りかけてくださるような温かい声、もうお会いできないだなんて、まだ現実のことと思えません。

きっと天国で役者仲間の方々と語り合いになられることと思います。
本当に、本当に、ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。