WRCセントラル・ヨーロピアン・ラリー、ヒョンデのタナクが勝利。トヨタ逆転タイトルの可能性残し日本へ

 ドイツ、チェコ、オーストリアの3ヵ国にまたがってWRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーが、10月17~20日にかけて開催された。今回勝利したのは、ヒョンデのオット・タナクだった。

 2023年に初めてWRCとして開催されたセントラル・ヨーロピアン・ラリーは久しぶりのターマックラリーとして行なわれた。

 セントラル・ヨーロピアン・ラリーの序盤をリードしたのは、トヨタのセバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組だった。彼は1日目をトップで駆け抜けてイベントをスタートさせた。

 ただ2日目はポイントリーダーのティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に逆転を許し、6.4秒差をつけられて2番手へ後退。雨による路面コンディションの変化も、彼を苦しめた。

 しかし1度首位に立ったヌービルも、安泰ではなかった。3日目のSS11でヌービルは2度もコースアウトを喫してしまい、一気に後退。トップには再びオジェが立ち、2番手にはタナクが浮上し5秒差で追いかける形となった。

 そして最終日の優勝争いでは、オジェが再び試練を受けることに。最終日のオープニングステであるSS15でコースオフがあり、タナクに首位をみすみす明け渡してしまった。

 続くSS16でオジェはその差を縮めていったが、逆転を狙ったSS17で泥で汚れた路面に足をとられマシンが大きくスライド……木に激突してしまい、ここでリタイアとなった。

 ライバルが脱落したタナクは、無理することなくまとめ上げ、セントラル・ヨーロピアン・ラリーを勝利。2位はトヨタのエルフィン・エバンス、3位はヌービルという結果となった。

 また前戦ラリー・チリを欠場していたトヨタの勝田貴元が、今回で復帰。5番手で最終日を迎えていたが、パワーステージで勝田がベストタイムを刻み、ボーナスポイントを獲得。最終的にスーパーサンデーも制し、4位でイベントを終えた。

 WRCは11月下旬に行なわれるラリー・ジャパンが最終戦となる。ドライバーズタイトルはヌービルとタナクのヒョンデ陣営内での争いとなっている。

 マニュファクチャラーズタイトルはトヨタが首位のヒョンデと15ポイント差。逆転タイトルのチャンスを残して母国日本戦を迎える。