現地10月25日に開幕するワールドシリーズ、対ニューヨーク・ヤンキース戦に向けて、ロサンゼルス・ドジャースの地元紙『Los Angeles Times』のジャック・ハリス記者は、「ドジャースが抱く9つの懸念」という記事を公開した。
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「今年のワールドシリーズは、ショウヘイ・オオタニ、ムーキー・ベッツ、アーロン・ジャッジ、フアン・ソトらが主役となり、近年で最も注目を集めるタイトルマッチになるだろう。そしてヤンキースと戦うドジャースが抱く9つの懸念事項は次の通りだ」
ひとつ目は、「もうひとりの歴史的なMVP」として、ヤンキースの主砲ジャッジを挙げた。「オオタニが今年、自身三度目となるMVPを受賞するのはほぼ確実だ。しかし、もしオオタニがまだア・リーグでプレーしていたら、今年はMVPレースで2位に終わっていた可能性が高い。なぜならジャッジがMLB史上最も攻撃的なシーズンを過ごしたからだ」と記した。
ジャッジは今シーズンに58本塁打を放ち、144打点、出塁率+長打率1.159、133四球でMLBトップの成績を収めた。「ジャッジは打撃成績が全体的に低迷していたシーズンに、このような成績を残した。ジャッジのOPS+は驚異の223となった。参考までにこれよりも高いOPS+を記録した選手は、わずか3人。バリー・ボンズ、ベーブ・ルース、テッド・ウィリアムズしかいない」と今年のジャッジがどれほどの成績を収めたのか強調している。
ふたつ目は「獲り逃した者」と題して、フアン・ソトの名前を出している。「2年前、ドジャースはトレード期限にソトの獲得を真剣に検討した。今シーズンのソトは打率.288、本塁打はキャリアハイの41本、打点はキャリア2位タイの109で、OPSはジャッジ(1.159)、オオタニ(1.036)に次ぐMLB3位の.989だ。今プレーオフでは打率.333、本塁打3本を放っている。ドジャース投手陣が抑えるのは容易ではない」と、ジャッジとともに要注意選手に挙げている。
3つ目は「獲り逃した者Ⅱ」として、かつてのドジャースの最有力ターゲットだったゲリット・コールを挙げた。「19年のオフシーズンに、カリフォルニア州オレンジ郡出身で、FAとなったコールにドジャースは3億ドル(当時約327億円)の契約を提示した。しかしコールはヤンキースと記録破りの3億2400万ドルを受け入れた」と過去の経緯を記し、「肘の怪我で最初の3か月を欠場したものの、復帰後はいつものように好成績(8勝)を残した。依然として圧倒的な力を発揮しており、今シーズンの被打率はわずか.189だった」と紹介している。
4つ目は「もうひとつの大きいバット」として、27本塁打、20二塁打、72打点のジャンカルロ・スタントンを挙げた。5つ目に今季16勝を挙げた左腕カルロス・ロドンを「パワーアーム」として取り上げ、6つ目には「その他の先発ローテーション」として、レギュラーシーズンの先発で最高の防御率2.85を記録したクラーク・シュミット、15勝を挙げた新人右腕ルイス・ギルに触れた。
7つ目は、「忍耐強く生産的なラインアップ」と称したヤンキースの打線に注目。「速球に対する打率はMLBで5位、長打率は2位だった」と記し、トレード期限で獲得したジャズ・チゾムJr.、ベテラン二塁手グレイバー・トーレス、新人遊撃手アンソニー・ボルピーの名前を出して「それにはジャッジ、ソト、スタントンだけが貢献したわけではない」と、驚異的な打線がドジャースに立ちはだかると見立てている。
8つ目は「ブルペンカルテット」。「ヤンキースのブルペンはシーズン終盤の9月初旬に刷新。クレイ・ホームズからベテラン先発投手のルーク・ウィーバーがクローザーの役割を引き継いで、救援陣は秩序を取り戻した」と状況を説明し、この2人にベテラン左腕ティム・ヒル、元ドジャースのリリーフ投手トミー・ケインリーの4投手がドジャース打線の脅威になると見通した。
最後の9つ目は「一方的なライバル関係」として、ワールドシリーズでのヤンキースとの対戦成績に触れている。過去11回目の対戦でドジャースの3勝8敗と圧倒的に分が悪い。「両チームで争われるワールドシリーズの大部分はヤンキースが支配してきた」と、過去の実績を取り上げた。
「ドジャースが(ニューヨークの)ブルックリンにいた頃、ヤンキースとのワールドシリーズは最初の5回(1941、47、49、52、53年)すべてで負けた。55年にヤンキース相手に球団初の優勝を勝ち取ったが、翌56年は敗戦。ロサンゼルスに移転以降に行なわれた4回のワールドシリーズでは2勝(63、81年)2敗(77、78年)だ」
地元紙がこのような9つの懸念事項を挙げたなか、はたしてドジャースは81年以来48年ぶりとなるヤンキースとのワールドシリーズで、どのような結果を出すのだろうか。大注目の第1戦は現地25日に、ドジャー・スタジアムで開催される。
構成●THE DIGEST編集部
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