メルセデス代表、ペナルティ裁定基準に”バイアス”がかかっていると示唆「理由は分かっているがテレビでは言えない」|F1アメリカGP

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、F1アメリカGPのペナルティについて、ジョージ・ラッセルとランド・ノリスが処分を受けた一方で、マックス・フェルスタッペンは問題なく免れたことを受け、「バイアスがかかった」決定だったと述べた。

 ピットレーンからレースをスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)はターン12でザウバーのバルテリ・ボッタスをコース外に追いやったとして序盤に5秒加算のペナルティを受けたが、そのペナルティも跳ね除け6位でフィニッシュした。

 また、RBの角田裕毅もレース中盤にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)を押し出したとして同じ処分を受けたが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは同様のアクシデントで2度ペナルティを免れている。

 スタート直後、フェルスタッペンはポールシッターだったランド・ノリス(マクラーレン)のインからターン1へとアプローチ。ノリスがインにマシンを寄せて苦しいライン取りとなったこともあって、アウト側にいたノリスと共にターン1を大回り。クリーンにコーナーを抜けたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が首位に立つ大きな要因となった。

 さらにレース終盤、3番手を走るフェルスタッペンとノリスのバトルでも同様のアクシデントがあった。よりフレッシュなタイヤでフェルスタッペンに迫ったノリスは、バックストレートエンドのターン12に向けてフェルスタッペンのアウト側に並んだが、イン側でレイとブレーキングしたフェルスタッペンに押し出されるような形でトラックリミットを越えた。

 結果的にノリスはコース外からフェルスタッペンを抜いたとしてペナルティを受けたが、フェルスタッペンもトラックリミットを超えていたことから物議を醸す結果となったのだ。

 当初はチーム無線でラッセルのペナルティを「完全なジョーク」だと言っていたウルフ代表は、クールダウンラップでドライバーと話した際にペナルティに「バイアスがある」と示唆した。

 ラッセルがターン1での動きでフェルスタッペンにペナルティが科せられたかどうかを尋ねると、ウルフ代表は次のように答えた。

「フェルスタッペンはペナルティを受けなかったし、最後にはランドが押し出されてアウト側からオーバーテイクしたことでペナルティを受けた」

「判断基準に少しバイアスがかかっていると思う」

 この状況について『Sky Sports F1』に語ったウルフ代表は、次のように語った。

「一貫性がないんだ。バルテリとの件については、レースをしていたわけですらなかった。(スプリントでは)まったく同じようなインシデントがいくつか見られたが、ペナルティは科されなかった。実際のポジション争いでもね。だからあのペナルティを受けるのは全く奇妙で仕方がない」

「理由については分かっているが、テレビでは言えない」

 スチュワードのせいなのかと尋ねられ、ウルフ代表は「相関関係があることもある」と答えた。

「結局のところ、難しい仕事なんだ。何人かは非常に優秀で、何人かはベストを尽くしている。彼らに敬意を表する必要がある」