トンカツ屋でトンカツ食いながらチューしまくるのマジでやめてほしいんだけど! マジでやめてほしい。カップルが軽くホッペに「チュッ♪」とかじゃあないから。ガッツリどすこーい! な感じでチューしてるわけ。以前の話だけど……。

トンカツ屋でトンカツ食いながらチューするのやめて頂きたい

チューしているの、トンカツが出来上がる前の、待ってる間だけじゃあないから。トンカツ食いながらもチューしているから。マジでドン引きですわ。普通トンカツ屋でトンカツ、ライス、味噌汁食いながらチューできる? マジでドン引きすぎてドンドン引きですわ。

確かにこっちは家に帰っても独りの寂しい身ですよ。だからって、チューしてラブラブなカップルに嫉妬してるんじゃあないの。ちょっと考えてみてくださいよ。トンカツをムシャシムャ食いながらチュッチュしているカップルを。味噌汁ズズッとすすりながらチューしてるカップルを。イメージできた? アウトでしょう。

トンカツもぐもぐ、チュー、ライスもぐもぐ、チュー、味噌汁ズズッ、チュー、トンカツもぐもぐ、チュー、ライスもぐもぐ、チュー、味噌汁ズズッ、チュー、トンカツもぐもぐ、チュー、ライスもぐもぐ、チュー、味噌汁ズズッ、チュー、お茶、チュー、そんな感じよ。

年齢的に40~50代だと思われる。もういい大人よ。場合によっては孫がいてもおかしくない年齢。そんなカップルがチューチューしてるの。トンカツ食いながら。どうする? 自分の祖父母がトンカツ屋でトンカツ食いながらチューチューしてたら。緩急つけながらチューチューしてたら。秒で縁切るでしょ。

このチューの厳しいポイントが、チューしている姿を目に入れなくても「チュ~!」「ムチュー~!」っていう音が耳に入ってくる点ね。だから、チューするようすを見なくても効果なし。店内にいるかぎり、このカップルのチューから逃れられない。

ここ、マイアミビーチじゃあないのよ? サンタモニカでもハワイでもない。日本の、殺伐とした雰囲気の、オッサンやオバサンが一人でトンカツ食うような、格安の大衆食堂的な、個人経営っぽいトンカツ屋なわけ。俺もそんなトンカツ屋でオッサンに交じってトンカツを食ってるオッサンの一人よ。たまに外国人観光客もいる。雰囲気的にチューするところじゃないわけ。というか、トンカツをサッと食ってサッと店から出るような店なわけ。

さっきも言ったけど、軽いチューだけじゃないから。マリアナ海溝みたいに深いやつ多めよ。深いやつギュンギュンしてる。軽めからのマリアナ海溝とかもあるのよ。トンカツ食いながら緩急つけたバリエーション豊かなチューしてんの。そして女性はトンカツとチューの合間に「お茶~」とか店員に言うわけ。

酔ってるとか言い訳にならないから。たとえ酔っててもトンカツ屋でトンカツ食いながら緩急つけてチューするのおかしいから。

これね、俺だけが気がついてるチューなら、俺が我慢すればいいだけの話よ。「気持ち悪いけど不運だったな」で諦めて、食って帰って寝るだけ。でもね、周囲の客、みんな気がついていてドン引きしているわけ。外国人と思われる観光客も「Oh……」みたいな顔してドン引きしてたよ。

この店、店員が多いのよ。そしてオープンキッチンみたいな内装。カウンターテーブルのみ。だから客席は店員に丸見えなわけ。緩急つけたバリエーション豊かなチューが店員にもモロ見え。

そこで思うわけよ。こういうとき、客が注意した方がいいのか、店員が注意したほうがいいのかってね。客も店員もみんなチューカップルの存在を認識してるとき、どう対処したらいいかってこと。「我慢して見なかったことにする」がトラブルはないかもしれない。

でもよく考えてほしい。「気持ち悪いモノ見せられながらトンカツ食う刑」なのよこれ。俺だけじゃあなくて、複数の客が「気持ち悪いモノ見せられながらトンカツ食う刑」を冤罪で受けてるワケよ。そう考えると、マリアナ海溝みたいなチューに気がつきながら注意しないお店は、客に「その刑を受け入れてください」ってことなのかな。これ、お店を責めているわけじゃあない。まだ、あくまで思考を巡らせている最中。何が正しい答えかまだ分からないから。「気がついたお前(客)が注意しろや」って考えがあるのもわかる。

で、最近思うのよ。外食で「吐き気がするほど体臭がヤバイ客の隣に座る」「クチャクチャしながら食うクチャラーの隣の席に座る」「クシャミと咳を豪快に何度も何度もまき散らす客の隣に座る」などなど、ヤバイ客に遭うことがある。もうそれは運だから、避けられない。だから、極論だけど「外食を選択した時点で受け入れるべきリスク」「外食を選んだ自分が悪い」と思うようにしているわけ。どうにもなんないから。嫌なら自宅で食えばいい。

でもね、さすがに、トンカツ食いながら緩急つけたバリエーション豊かなチューをするカップル客はドン引きというか、何度も何度も「チューすんのやめてもらえませんかね?」と言いそうになった。言うとトラブルの元だとわかりつつも、言いそうになった。気持ち悪すぎるの。モンスターはモンスターでも、激レアモンスター級の気持ち悪さ。

だけど、あんまり人を責めたくない。ドン引きする行為だけど、人を責めるって体力もいるし、メンタルもやられる。だから「もしかしたら硬いものが食べられないから咀嚼して柔らかくして口移しで食べさせてあげているのかも」と思うようにした。今回の件は、そう思うようにした。チューではなく、咀嚼して柔らかくしたものを食べさせてあげてると思うことにした。チューは不埒だけど、それなら健全と自分に言い聞かせた。本当に健全かどうかは別として健全ということにした。実は親切な人だったんだ。

でもおかしいな。ちょっと今思ったんだけど、咀嚼説が正しいのだとしたら、トンカツがテーブルに来る前からチューするのはおかしい。咀嚼して柔らかくして口移しで食べさせてあげているなら、トンカツがテーブルに来てからじゃないとおかしい。咀嚼の予行練習なのだろうか。咀嚼説が確かならば、それしかないよな。

でも今思えば、男性も女性も、普通にトンカツ食ってるときもあったし、硬いものが食べられない感じでもなかった。となると咀嚼説は違うか。とにかく、愛情表現での緩急つけたバリエーション豊かなチューは大衆的なトンカツ屋でやめてほしい。ごちそうさまでした。

※イメージ画像はフリー素材サイト『写真AC』より

(執筆者: クドウ秘境メシ)