レギュラーシーズンでは16勝8敗1分と大きく勝ち越していたDeNAに敗れ、日本シリーズ進出を逃した巨人阿部慎之助監督は「僕が勝たせてあげられなかった。申し訳ない。それが一番ですね」とガックリだった。

「阿部監督は3年契約。4年ぶりとなるリーグ優勝を決めた時点で、山口寿一オーナーも『当然やってもらわないと困る』と続投が決まっている。ただし、巨人では日本一以外は優勝ではないという伝統が今もあります。監督が責任を取るのは最後の最後」(古参の巨人担当記者)

 そこでメスが入るのはコーチ陣の組閣。“優勝”できなかった時にはヘッドコーチが詰め腹を切らさせるのも慣例だ。

「DeNAとのファイナルステージの敗因が貧打だったことは明らか。阿部巨人のヘッドは二岡智宏コーチが務めていますが、打撃部門のチーフコーチでもある。配置転換、もしくは退団が確実でしょう」(巨人担当記者)

 代わりに入閣情報が出たのが、イースタン・リーグのオイシックス新潟で監督を務めた橋上秀樹氏だ。橋上氏は故・野村克也氏の右腕として、データーに基づいた「ID野球」を吸収。12年から3年間、原監督のもと巨人で1軍戦略コーチなどを歴任している。

「阿部監督にとっては高校時代(安田学園高)の先輩で、巨人コーチ時代は“慎之助担当”と言われるほど張り付き打撃フォーム改造に取り組みました。今回の招聘については阿部監督が山口オーナーに直々にお願いしたそうです」(前出・巨人担当記者)

 それにしても、一時は“ポスト原”とも言われ、2軍監督から今季は1軍ヘッドにまで上り詰めた二岡コーチだったが、わずか1年で参謀役を弾き出されるとなると残酷だ。

小田龍司

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