【新日本】引退を発表した棚橋弘至、最後まで頂点を狙う「引退試合でIWGP世界ヘビー戦に勝ってしまったらどうしよう」

 新日本プロレスは10.14東京・両国国技館大会で「2026年1.4東京ドーム大会での引退」を表明した棚橋弘至社長について、23日に都内の事務所で引退の理由や今後についての会見を開いた。

【画像】今年の1.4東京ドームで、新社長に就任した棚橋弘至が王者・ザックを見事撃破! 棚橋は「10月14日両国のリングで、2026年1月4日を棚橋のゴールに決めたと発表いたしました。様々な反響がありましたが、リング上とバックステージコメントでは十分な説明ができませんでしたので、本日あらためて会見を開かせていただきました」と挨拶をすると、「まずゴールを決意するに至った経緯についてご説明します。ここ数年、ヒザの状態だったり、腹筋がなかなか割れないというか、良いコンディションに戻せませんでした。『なんとかもう一度トップへ』という想いはありましたが、社長就任のタイミングで自分自身に期限を決めて最後の力を振り絞ってみようと思いました。引退を発表してから、毎日がさらに早く過ぎていくように感じます。自分自身が納得して、そして誇れる姿で終わりたいので、現在集中力が増している感覚はあります」と引退を決めた理由を述べた。

 本人も話しているように、棚橋の肉体は満身創痍ながらも国内外のハードスケジュールを続けており、ここに社長業も加わったことから「限界」を感じたようだ。ファンからも棚橋のコンディションの悪さは指摘されており、持ち味だったスピードや切れ味が落ちてきているのは間違いない。

 引退ロードについては「これから1年2か月の間、日本中できるだけ多くの場所でたくさんの皆様の前で試合をしたいと考えております。まだボクの中のアイディアなんですけども、今年のシリーズについては『SUPER Jr. TAG LEAGUE』シリーズ以外は出ますね。そして、1月の東京ドームにも参戦します。そのあとについては、これから相談して決めていきますが、所属選手全員とシングルマッチできたらなと。ホントにデビューしたてヤングライオンから先輩レスラーまで、なんか残せるものがあるんじゃないかなと考えてます」とまずは所属している全選手とのシングルマッチ実現を訴えた。シングルとなると、まだ実現していないカードもかなりあるだけに、これは楽しみだ。

 自身は「もちろん自分が闘いたい相手はいますし、ファンの皆様がこの選手と闘ってほしいと思う対戦が出来たらと思っています。でもね、今はどうしてもね、まず倒さなきゃいけない相手がいて……EVIL。今年のとくに前半なんかは乱入、介入、反則決着とかで、なかなかファンの方々に喜んでいただける試合が出来なかったので、まずEVILをどこか大きい会場で、2025年の東京ドームでもいいかもしれないですけど。まずはEVILを倒します」と遺恨が深まっているEVILとの対戦を要求。会見後にEVILが現れて「オメーに意見なんてねーんだよ。なんでかわかるか、オイ? この会社はよ、俺の会社なんだよ、コノヤロー! いいか、オイ。テメーの死に場所はよ、2025年1月4日東京ドーム、そこですべては終わりだ」と罵倒したことで、来年1.4東京ドーム大会でのEVIL戦から引退ロードが始まる。
  さらに棚橋は、「多くの選手からSNSで『最後に一回どうだ?』みたいな対戦要求もきていますし、今年は年末にドラゴンゲートさんで(そのまま)市川選手とも闘いますので、プロレス界の役に立てるなら、ファンの方が喜ぶなら、ドンドンやってみたいと思います」と他団体や海外の選手とも出来る限り対戦していきたい方針。そしてファンなら気になる中邑真輔(WWE)、柴田勝頼(AEW)との対戦については「そうですね……同じ時代を生きてきたライバルなので。いろんな問題をクリアできればとういことですかね……」と慎重に言葉を選んでいた。
  新日本はAEWとの関係は良好だが、WWEとは距離を置いており、WWEと友好関係を築いているプロレスリング・ノア辺りが仲介して、中邑と最後のシングルを実現させてもらいたい。

 また全所属選手と対戦とあってタイトルホルダーとの対戦も予想されるが、シングルのベルトを「狙います」とした上で「僕は『どうしたら引退するって気持ちになるのか』って思ったんですね。やっぱりレスラーとしては一番を目指さなくなった時が、引退を決意するタイミングかなと思いまして、なので……IWGP世界ヘビーは一度挑戦して負けてしまって巻いていないので、引退試合までにIWGP世界ヘビーに辿り着く。引退試合でIWGP世界ヘビー戦に勝ってしまったらどうしようって思うんですけど……そしたら現役続行って言うかもしれないし(笑)。なので、そういうのが勝手に思い描いている理想の引退ですかね」と最後まで新日本の頂点であるIWGP世界ヘビー級王座獲得を「あきらめない」という。数々のタイトルを獲得して来たタイトルコレクターなだけに、IWGP世界ヘビー級王座も加えてから引退したいという気持ちは強いようだ。

 棚橋は他のベテラン選手のようにテクニックだけで勝負することも出来たにもかかわらず「棚橋弘至が棚橋弘至を出来るうちに」引退することを選んだ。ハイフライフローに代わる膝に負担のない新技を考えることも出来たはずだが、それを良しとせず、最後まで「エース」として飛び続けることを誓った棚橋の決断には拍手を贈りたい。そして最後はどんな「ミラクル」を見せてくれるのか。数々の「ミラクル」を起こして来ただけに、引退ロードは1試合も見逃せない。

文⚫︎どら増田
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