第50回衆議院議員総選挙の候補者に対して行われた「好きなマンガ・アニメ・ゲームがありましたら教えてください」という質問をまとめてみました。上位になった作品、そしてユニーク回答を見てみましょう。



アニメ『キングダム』5期 キービジュアル (C)原泰久/集英社・キングダム製作委員会

【画像】もはや本人だろ(笑) こちらが再現度高すぎた『キングダム』実写版です(6枚)

衆院選の投票日目前、候補者のこと知ってる?

 第50回衆議院議員総選挙の投票日が10月27日(日)に迫り、いろいろなものを参考にして投票先を熟考中の人もいるでしょう。なかでもアニメやマンガ、ゲームが好きな人にちょっと見てほしいのが「第50回衆議院議員総選挙の候補者に向けて実施した表現の自由についてのアンケート結果」が掲載されたサイト(https://shuinsen2024.afee.jp/)です。

 ここにはエンターテイメント表現の自由の会が実施した、候補者に対するアンケートの結果がまとまっており、そのなかで3つ目の質問が「好きなマンガ・アニメ・ゲームがありましたら教えてください(最大3つ、100文字以内)」というものでした。

 というわけで今回は、この質問に対する646人分の回答(2024年10年21日20時時点掲載分まで)を集計してみました。ちなみに複数メディアで展開しているものも1作品として扱っており、たとえ「マンガ版『風の谷のナウシカ』」と書いてあっても『風の谷のナウシカ』への1票扱いです。まずトップ3からみてみましょう。

上位はさすがの人気作ぞろい、でも「らしさ」もあり?

1位:キングダム(46票)
2位:SLAM DUNK(43票)
3位:ONE PIECE(36票)

「なるほどな~」と思わされる国民的人気作が並ぶなかで1位だったのは『キングダム』でした。天下国家を論じるような人びとだと、中華統一のために戦う「信」たちにシンパシーを感じるのでしょうか。2位の『SLAM DUNK』については、白井けいこさん(群馬1区)の「マンガ:スラムダンク アニメ:劇場版スラムダンク」というこだわりを感じさせる回答が素敵でした。

 またこのトップ3……というか4位の『鬼滅の刃』も含めて意外と最近の作品が多く(と言っても『SLAM DUNK』は34年前に連載開始ですが)、40代前半の筆者と同世代かそれ以下も多く出馬しているんだなと改めて実感した次第です。

『Re:ゼロから始める異世界生活』や『転生したらスライムだった件』といった「なろう系」の作品も複数入っており、「政治家なんてもっと年上の世代だ」という認識を改めなければならないようです。ちなみに4位以降は以下の通りです。

4位:鬼滅の刃(35票)
5位:ドラえもん(32票)
6位:ドラゴンクエスト(『II』や『III』限定も含む)(23票)
7位:ブラック・ジャック(21票)
8位:ドラゴンボール、風の谷のナウシカ(20票)
10位:火の鳥、あしたのジョー(16票)

 ご覧のとおり大ヒット作が多いなか、5位の『ドラえもん』に寄せられた道本たかやさん(京都5区)の「子供と一緒に見るドラえもんは、やはり素晴らしいと思います。」、金城徹さん(沖縄4区)の「孫と一緒にみるドラえもん」のコメントにはほっこりします。

 また11位以下ですが、かわぐちかいじ先生の『沈黙の艦隊』(8票)や弘兼憲史先生の『加治隆介の議』(7票)といった政治色が強い作品が人気だったのは母集団の特徴が出た結果と言えそうです。

 また北海道での『ゴールデンカムイ』や宮城の『ハイキュー!!』、新潟の『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』などへの回答は作品の舞台ということで理解できるのですが、神奈川での『サンクチュアリ』(政治家とヤクザの成り上がりマンガ。超面白い)人気はいったい何なんでしょう。



アニメ『負けヒロインが多すぎる!』メインビジュアル (C)雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

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『マケイン』好きな徳島の候補者と飲んでみたい

 この調査をするなかで、ユニークだった回答もたくさん見られました。例えば加来たけよしさん(埼玉14区)の「最近のものとしては、Thisコミュニケーション、オーイ!とんぼ、龍と苺など」や、三谷英弘さん(神奈川8区)の「ハートキャッチプリキュア、ラブプラス、アメリカ大統領選挙(ファミコンソフト)」は「分かってる感」があるし、舞台となった豊橋市にまるで関係なさそうなのに『負けヒロインが多すぎる!』を挙げている高橋えいさん(徳島1区)とは普通にアニメ話をしてみたいところです。

 その他にも気になった回答を列挙してみると、海江田万里さん(東京1区)の「『かわぐちかいじ』の作品、特に『沈黙の艦隊』。主人公の海江田四郎は私の父と同姓同名です。」という回答は、かなりインパクトのあるエピソードでした。

 続いて、『スーパーマリオブラザーズ2』と回答した木原功仁哉さん(兵庫1区)は、難しいことも粘り強く対応してくれるかもしれません。

 三角創太さん(埼玉16区)の「推しの子、ホグワーツレガシー、gta6の発売待ち」、原努さん(東京14区)の「『こらち葛飾区亀有公園前派出所』子どものときに愛読していた。自分の価値観にも影響を与えたと思う。SFやホラー、経済、恋愛、など様々な要素がちりばめられていたが、『過ぎたるはなお及ばざるが如し』が貫かれていた」という回答には、特に驚かされました。

 また、ほその真理さん(東京2区)の「今敏監督のアニメ、手塚治虫、しょんぼり温泉」、北村みきさん(大阪19区)の「ミステリと言う勿れ、WジュリエットII、11人いる!」という回答については、「好きな作品を3つ挙げて」と言われてこのラインナップ、かなりバランス感覚がいいのではないでしょうか。

自分の選挙区はどんな人が出てる?

 ちなみにツッコミしたくなる回答はこれでもほんの一部です。「数多い『ガンダム』の中でもそこ!?」「『メイドインアビス』だけ書いてるって、強い」といった感想を抱かされる、など気になる回答は多々ありました。ただ『One peace』や『BLEAGH』、『人現交差点』なんかの凡ミスや、最大3作品と言われながら10作品挙げてるような気合いの入った回答は仕方ないとしても、『銀河鉄道777』という答えはどうなんでしょうか?

 もちろん「好きな作品が自分と被ってるから」という理由で投票するべきではないでしょうが、興味を持つきっかけとするにはいいかもしれません。まだ誰に投票するか決めていない人は、ほかの政策と併せて、まずは上記サイトで自分の選挙区の候補者がどんな作品を好きかチェックしてみましょう。もちろんツッコミながら全員分チェックするのもとても面白いですよ。