クリスタル・パレスは現地時間10月21日に行なわれたプレミアリーグ第８節でノッティンガム・フォレストに０-１で敗れ、開幕からの未勝利が続くこととなり、降格圏内の18位に沈んでいる。
英国の日刊紙『The Guardian』は、開幕８戦白星なしは1992-93シーズンのリーグ創設以来初のことであると伝え、「オリバー・グラスナー監督の立場は、最悪のスタートを切った後、ますます厳しい状況に追い込まれている」と綴り、すでにその去就が注目を集めているオーストリア人指揮官について「彼の運命は、来月の代表ウィークを迎える前までの結果で決まる」との見解を示した。
「パレスは日曜日（10月27日）にトッテナムをホームに迎え、続いてミッドウィーク（30日）にカラバオ・カップでアストン・ビラと対戦する。その後、最下位ウォルバーハンプトンとのアウェーマッチ（11月２日）があり、９日にはフルアムがセルハースト・パークを訪れる。これらの試合の結果が、グラスナー監督の将来を左右する可能性がある」
同メディアは、スティーブ・パリッシュ会長らパレスの首脳陣が同監督について、３-４-２-１システムに拘りすぎて柔軟性を欠いていることに懸念を抱いていると指摘。対して指揮官は、ノッティンガム・フォレスト戦後に「常に解決策を考えている。もしかしたら、フォーメーションを変える必要があるのかもしれない。もっとゴールを決められる選手をピッチに送り込む必要がある」と、戦術変更の可能性を示唆している。
彼はまた、現状について「正直なところ、今は厳しい時期にある。しかし、誰も誰かを責めようとはしてはいない。非常に多くの場面で、我々は最後の局面で間違った判断をしている。これは自信の欠如によるものだ。人間だから、それは仕方がない。今は選手を叱るのではなく、励ますべき時である」とも主張する。
パレスといえば、不振の原因のひとつとしてバイエルンに移籍したフランス代表FWミカエル・オリーズの代役を立てられていないことが挙げられているが、現地メディアがこの件を追及する上では、今夏に加入した鎌田大地がやり玉に挙げられることに……。『The Guardian』紙も、「鎌田はフリー移籍で加入し、クラブの最高年俸選手となったにもかかわらず、オリーズの穴を埋められていない」と綴っている。 またパレスのクラブ専門サイト『WE ARE PALACE』は、ノッティンガム・フォレスト戦に関する記事で「グラスナー監督が犯した最後のミスは、エベレチ・エゼや鎌田といった選手の代わりに、エディ・ヌケティアを交代させたことだろう。この２選手は、いずれも酷い出来だった」と報じており、期待された日本代表選手の不甲斐なさを強調する。
ここでグラスナー監督に話題を戻すと、すでに多くの後任候補の名前が挙がっており、『The Guardian』紙は「グレアム・ポッターは、今年初めにロイ・ホジソンの後任としてパレスと交渉を行なったことがあり、他にもデビッド・モイーズやガレス・サウスゲイトも現在はフリーで、グラスナーが解任された場合の候補とされている」と報じた。
この件で『WE ARE PALACE』は、ブライトン、チェルシー等を率いた経験を持つポッターに注目し、「彼が到来すれば、セルハースト・パークではシステムの変更や選手の役割の刷新など、大きな変更が起こる可能性がある」として、この49歳の指揮官が好む４-２-３-１システムを採用した場合の陣容を早くも予想している。
その中で、鎌田については「もしポッターがこのフォーメーションを採用するのであれば、『10番』ポジションの選手が必要となるが、鎌田にはその役割を担う準備ができている。彼は夏に加入して以来、適切に活用されていなかったが、このシステムによってその能力を最大限に引き出せるかもしれない」と、現状打破のきっかけとなる可能性を指摘した。
フランクフルトで共闘し、自身のことを十分に理解しているはずのグラスナー監督が去ることは、鎌田にとってはより不都合なことと捉えられてきたが、果たしてこの先、鎌田を取り巻く環境はどのように変化していくのか。そして、彼自身がいかなる役割を担うかに注目していきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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