【ワールドシリーズ戦力分析:投手】先発陣は質・量両面でドジャースに勝るヤンキース。長打阻止能力でも顕著な差<SLUGGER>

 いよいよ日本時間10月26日(現地27日)からドジャース対ヤンキースのワールドシリーズが始まる。果たして頂点に立つのはどちらのチームなのか。

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 大谷翔平、ムーキー・ベッツ、アーロン・ジャッジ、フアン・ソト、ジャンカルロ・スタントン――ファンやメディアの目はどうしても両軍のスラッガーたちに向かいがちだが、シリーズのカギを握るのはむしろ投手陣の出来かもしれない。

 まず、今ポストシーズンにおける両チームの先発/ブルペン防御率を比較してみよう。

▼先発
ドジャース:6.08(40.0回)
ヤンキース:3.89(44.0回)

▼ブルペン
ドジャース:3.16(57.0回)
ヤンキース:2.56(38.2回)

 数字上からも、明らかにヤンキースが優位に立っている。特に先発陣はゲリット・コール、カルロス・ロドンの二枚看板の後にクラーク・シュミット、ルイス・ヒルが控えており、ジャック・フラハティ、山本由伸、ウォーカー・ビューラーと実質3枚しかいないドジャースを質・量ともに凌駕している。 ブルペンはドジャースが上という印象もあるが、少なくとも防御率はヤンキースが勝っている。イニング数もドジャースの57.0回に対してヤンキースは38.2回。これはヤンキースの方がまだ余力を残しているとも読み取れる。先発よりブルペンの方がイニング数が多いこと自体、かなり異例のこと。1ヵ月近くに渡るポストシーズンの激闘で、ドジャースのブルペンが果たして最後まで持つかどうかも焦点になるだろう。

 もう一つ気になるのは長打抑止能力の差だ。今ポストシーズン、ドジャース投手陣は97.0回で13本塁打を献上しているのに対し、ヤンキースは82.2回で7本のみ。大谷とジャッジの本塁打王争いが注目を浴びるシリーズになりそうだが、この投手力の差がモノを言う可能性もある。

 ドジャースの場合、やはり重要なのは先発投手の出来だ。今ポストシーズンで敗れた4試合はいずれも早いイニングでリードを許し、そのまま挽回できずに終わった。ヤンキースの投手力を考えると、ワールドシリーズでは序盤で大量点を失うと、これまで以上に勝ちが遠のいてしまうことになる。

 また、前述した事情を踏まえると、ブルペンの負担を少しでも軽くしておきたいところ。何とか最低失点で4~5回までしのいでいくことが勝機を開くことになりそうだ。

構成●SLUGGER編集部

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