2024年シーズンに球団ワーストの99敗を喫したロサンゼルス・エンジェルスは、ストーブリーグでどのような補強を行なうのだろうか。
エンジェルスのオーナー、アート・モレノは『MLB.com』のインタビューで、「25年は十分な資金を投じて、ファンの関心を引きつけ、我々が何を達成しようとしているのか理解してもらう必要がある。努力が足りないわけではない」と語っている。
オーナーの言葉を額面取り受け止めるなら、エンジェルスはこのオフに積極的な補強に動くということだ。しかし、エンジェルス専門メディア『Halo Hangout』は10月23日の記事で、モレノが示した方針に疑念を抱いた。
「確かにエンジェルスは大物FAの争奪戦に加わる可能性があるが、勝利を優先するFA選手にアナハイムに来るよう説得するのは、確実に難しい。モレノが自身の言葉どおり資金を投じるなら、契約してくれる選手は出てくるかもしれない。ただ、あくまでオーナーが大金を投じれば、の話だ」
同メディアは、『New York Post』紙のジョン・ヘイマン記者の報道を引用。ヘイマン記者はエンジェルスのオフシーズンについて、「アナハイムはまだアンソニー・レンドーンとマイク・トラウトのダメージ(大型契約したものの、両者は毎年のように怪我で長期欠場)が癒えていない。そして明らかなのは、ショウヘイ・オオタニにお金を使う気がないのなら、誰に使うつもりなのか。エンジェルスが何かにお金を使うとは思えない」と報じていた。
昨オフにモレノは、FAとなった大谷翔平陣営からの提案(10年7億ドル、年俸の大半の後払い)を断った。レンドーンとトラウトの年俸の負担が大きすぎるというのが、その理由だった。
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ヘイマン記者の記事を受けて同メディアは、「この引用文は、多くのことを示唆している」と受け入れ、「モレノは一体、誰にお金を使うのか疑問に思うファンはいると思う。実際、ほぼすべてのポジションで補強が必要だ。現時点では“誰を獲るのか”ではなく、誰を獲っても大きな補強に感じられるだろう」と、チームが置かれている状況を説明した。
「ヘイマン記者は、エンジェルスが例えば、アンソニー・サンタンダー(ボルティモア・オリオールズ)、グレイバー・トーレス(ニューヨーク・ヤンキース)、マックス・フリード(アトランタ・ブレーブス)といった大物FAの獲得の可能性に言及した。ただ、モレノが大金を用意するのだろうか?」
同メディアはマネーゲームになりうるFA選手ではなく、トレードにこそ活路があると主張した。
「FAになる選手で、オオタニほど実力のある選手から“エンジェルスと契約したい”という言葉が出てくることはないだろう。そこで、エンジェルスでプレーしたい意欲がある選手がキーになる。そんな選手をトレードで迎えて強化していきたい。エンジェルスはMLBとMiLB(マイナー)のロースター全体を再評価しており、いつでも、誰ともトレードする準備がある」
このように同メディアは、大谷との契約に資金を投じなかったオーナーの「今オフに資金を投じる」という言葉に期待せず、トレードを駆使したチーム強化を推奨した。
構成●THE DIGEST編集部
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