レッドブルのセルジオ・ペレスは、新たに2年契約を勝ち取るほどシーズン序盤は好調だったが、5月以降は大きく調子を落としてしまった。ペレス自身も苦しいシーズンになっていることを認め、母国メキシコGPでは良い結果を出したいと語った。
マイアミGPのスプリントを最後に、トップ3フィニッシュが途絶えているペレス。マイアミGPの決勝で4位に入って以降はトップ5にすら入れていない。マックス・フェルスタッペンひとりでほとんどのポイントを稼いでいる状態のレッドブルはコンストラクターズ選手権のリードをマクラーレンに奪われてしまった。
レッドブルは夏にペレスの更迭を検討せざるを得なくなったが、結局は当面ペレスを続投することを決定。しかしレッドブルはRBにリアム・ローソンを起用し、角田裕毅と比較するなど後任探しを続けている状態だ。
ペレスはフェルスタッペン以上に2024年のマシンであるRB20のハンドリング問題の影響を受けているようだ。しかしレッドブルはここ数戦で、より穏やかなマシンバランスを見つけることに成功しており、先週のアメリカGPではフェルスタッペンがスプリントレースで優勝した。ペレスはホームレースとなるメキシコを前に、ペレスは改良されたマシンで勢いをつけようと必死だ。
「ひどいシーズンだったことは分かっている」
そうペレスは語った。
「スタートはとても良かったけれど、本当に、本当に難しかった。もし強力な結果を残せれば、個人的な気持ちの面でもシーズンを大きく変えることができる」
「(2022年のメキシコで3位を獲得し)表彰台を息子が見上げていたあの瞬間は、一生心に残るだろう。息子にはずっと覚えていてほしい。あの瞬間は、僕にとって本当に大切なものなんだ。今週末もその瞬間を繰り返せることを願っている」
ペレスはアメリカGPではフェルスタッペンと比べて、自分のマシンのスペックとパフォーマンスが劣っていたことを示唆した。
「数字や事実は内部のエンジニアたちだけが知っていると思う。違いがどこにあるかは分かっているんだ」
「フェラーリがそこにいても何も変わらない。僕たちはコンストラクターズタイトルを獲りたいんだ。2位や3位じゃ意味がない」
「だから、本当に勝ちたいんだ。そのためには、2台とも最高のパフォーマンスと最高のパッケージが必要なんだ」
ペレスにとって、RBのリアム・ローソンは新たな脅威となる。今季ラスト6戦をダニエル・リカルドに代わって戦うことになった22歳のローソンは、タイヤ選択も追い風となり19番手から9位フィニッシュ。グリッドペナルティを乗り越えてポイントを獲得した。
ローソンは角田とパフォーマンスを直接比較し、”合格”と判断されれば来季にもペレスに代わってレッドブルに昇格する可能性もあると見られている。
この状況についてペレスは「それがF1だと思う」と語り、自身の将来をめぐる憶測を打ち消した。
「ときには結果がついてこないこともある。とにかく落ち着いて、自分がコントロールできることに集中し、それ以外のことは気にしないようにするべきだ」
「僕はチームと同じ船に乗っていると感じている。モンツァで大きな課題が見つかったし、モンツァの後は正しい方向に向かっているんだ」