現地時間10月23日、ゴールデンステイト・ウォリアーズは、ポートランド・トレイルブレイザーズとのアウェーゲームを140-104で大勝し、今季開幕戦を白星で飾った。
チーム全体でフィールドゴール成功率51.6%(48/93)、3ポイント成功率41.7%(20/48)と、持ち前のシュート力を存分に発揮したウォリアーズは、流麗なボールムーブメントから計38本のアシストを記録。
プレシーズンを6戦全勝で終えたチームにとって、唯一気がかりだったのはステフィン・カリーに次ぐ第2オプションの存在だった。昨季はカリーが平均26.4点をマークしたが、それに次ぐ17.9点をあげたクレイ・トンプソンは今夏にダラス・マーベリックスへ移籍。36歳のカリーへの負担増加が懸念されていた。
そうしたなか、この開幕戦ではカリーがフィールドゴール成功率40.0%(4/10)と本調子ではなかったが、アンドリュー・ウィギンズが同成功率53.3%(8/15)、3ポイント成功率57.1%(4/7)で20得点を稼ぎ勝利に貢献した。
「ウィグズは素晴らしかったね。これこそ我々が彼に期待していたことだ。今の彼は心に悩みや不安がない状態で、素晴らしいシェイプにあり、キャリアのピークにある。最高のシーズンを送る準備ができていると思うよ」
スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は在籍6年目のフォワードをそう称え、さらにこうも話していた。
「今夜の彼は7本のうち4本も(3ポイントを)決めた。しかもリムへアタックし、トランジションからいくつかレイアップも決めていた。我々はあらゆるスポットから点を取れるウィグズの能力が大好きなんだ」
ウォリアーズは計7選手が2桁得点を奪取。スターターではウィギンズに加え、カリーが17得点、9リバウンド、10アシスト、2スティール、トレイス・ジャクソン・デイビスが14得点、ジョナサン・クミンガが10得点、ドレイモンド・グリーンも8得点、6リバウンド、2ブロックで貢献した。
もっとも、この日のトップスコアラーはウィギンズでもカリーでもない。新天地デビューでベンチから22得点をマークしたバディ・ヒールドだ。31歳のウイングは、14分44秒の出場ながらフィールドゴール成功率66.7%(8/12)、3ポイント成功率71.4%(5/7)と高精度なショットを繰り出し、チームの起爆剤となった。 カーHCも新加入のヒールドを絶賛。持ち味のシュート力はもちろん、「彼がトランジションで走ると周りの選手たちにスペースを作られる。エナジーや活気もいい。バディの加入はチームにとって素晴らしい補強になったし、みんな彼のことが大好きだよ」と手放しで称えた。
「クレイがいなくなったことで、僕らはシュート力を必要としていた」というカリーも、ヒールドの加入を歓迎する。「彼のスキルセットについてはこのチームの全員が知っている。彼にはどんなことができるのかもね。ここまではスムースに移行できているよ」とポジティブに語っていた。
とはいえ、これはレギュラーシーズン82試合のうちの1試合にすぎない。チームは25日(日本時間26日)にユタ・ジャズ戦、27日(同28日)からはホーム3連戦が組まれている。ヒールドは「今夜は僕の日になったね」と口にしつつ、謙虚な姿勢を保っていた。
「次はJK(クミンガ)の日になるかもしれない。ステフはいつだってステフだ。彼はワールドクラスだからね。僕からすれば、この機会を上手く活用していきたい。ステフをオープンに、あるいは他の選手たちが活躍するためにフロアを走り回っていきたい」
開幕戦でウォリアーズは計12選手が14分以上に出場。点差が開いたこともあってプレシーズンに続く“試運転”とも言える展開となったが、この日見せた選手層の厚さを駆使し、このまま白星先行でいきたいところだ。
文●秋山裕之(フリーライター)