セルティックはチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第3節で、アタランタと0-0で引き分け。第1節でスロバン・ブラチスラバに5-1と快勝を飾った後、前節のドルトムント戦で1-7の大敗を喫して天国と地獄を味わったスコットランド王者は、守勢の試合をしのぎ切って勝点獲得に成功している。
この現地時間10月23日に行なわれたイタリア・ベルガモでのアウェーマッチで、セルティックからは旗手怜央、前田大然という2人の日本人選手が先発出場。前者は68分間、後者は75分間プレーし、ベンチスタートの古橋亨梧は68分からピッチに登場。前田は低いクロスでチャンスを創り、古橋は振り向きざまのシュート、裏に抜けてのボレー弾で果敢にゴールを狙った。
古橋の交代出場とそのパフォーマンスについて、英国の日刊紙『The Guardian』は「アイルランド人のアダム・イダがセルティックの攻撃の先頭に立つというブレンダン・ロジャース監督の選択には、試合前から驚きの声が上がっていた。そしてイダは68分間、ほとんど試合に絡むことができなかったが、これは彼のせいとは言い難い状況だった。その後に登場した古橋の動きは、明らかにアタランタを困惑させた」と評している。
一方、旗手は中盤で精力的な働きを見せ、英国公共放送『BBC』は「カラム・マクレガー、アルネ・エンゲルス、そして旗手の中盤のトリオが疲れ知らずのプレーを見せたことで、セルティックはボールプレーには改善の余地があったものの、ドルトムント戦で致命的となったような個々のミスを排除した」と伝えた。
『THE SCOTSMAN』紙は10点満点の採点で、最終ラインの選手には満点を与えて「神々のカテナチオ」と称賛したが、その中で中盤の旗手には及第点の「6」。寸評は「他の多くの中盤選手と同様に、彼の主な役割は守備を保護し、チームの形を維持することだった。その中でもこの日本人選手は、特に試合序盤にボールを扱う際に幾つかのクオリティーの高いプレーを見せたセルティックのMFだった。次第に疲れが見え始め、68分に交代した」と、ポジティブな内容になっている。
前田は「5」で、「日本人のスピードスターは2試合連続、ウイングとして力を発揮できず、セルティックの攻撃の外側でプレーしていた。いつものように懸命に働いたものの、持ち味を発揮する機会はなかった」とネガティブな記述となり、採点なしとなった古橋は「キョウゴは何度かゴールに迫った」と総括された。 続いて『THE SOTTISH Sun』紙は、旗手に中盤より前の選手の中ではチーム最高タイとなる「7」の高採点を付与し、「序盤に意欲的なボレーシュートを放った。常にボールに絡もうとし、美しいフリックやパスを見せ、交代されるまで懸命に働いた」。前田(6点)には「左サイドでいつも通り疲れ知らずの働きを見せたが、このレベルではまだボール扱いに甘さが見られた。前半に危険なクロスを送ったものの、大半は守備に費やした」、古橋(6点)には「イタリアチームを困らせた」と、それぞれ寸評を綴っている。
また同メディアは、古橋については「残り20分程での投入後、彼は何とかして状況を変えようと必死に見えた。アタランタの高い守備ラインは、セルティックが攻勢に転じた際には、古橋に走り込むスペースを与えていた。77分、彼がロブシュートを試みた場面では、もう少し繊細なタッチがあれば、セルティックが決勝ゴールを奪えたかもしれない」と指摘した。
『Daily Mail』紙は「クラブでの100試合目となった旗手が最初のタッチでボールを失った瞬間、先行きは暗いものに見えた」と報じたものの、その後の彼のプレーを「ニコラス・クーンとともに相手の脅威となった」と背番号41を高評価。また古橋に対して、「ロジャース監督率いるチームに勢いをもたらし、改善した。キョウゴの影響は瞬時に表われ、反転してのシュートで相手GKに不安の瞬間を強いた」と、こちらもポジティブに言及している。
同メディアの個別評価の記事では、旗手に採点「6」で「一生懸命にプレーし、可能な限り頭を上げてカウンター攻撃のウインガーにボールを供給しようとした」、前田には「7」で「全力を尽くし、チャンスが訪れると脅威を感じさせる瞬間を見せた。1回のカウンターとクロスが、イダの得点に結びつくところだった」と、評価を下した。
『The Herald』紙の採点は、旗手と前田が「6」、古橋は「5」となっており、それぞれについて「(旗手)試合を通してボールに触れる時間があまりなく、影響力が薄い役割に制限された。相手のスタイルに苦しみ、MFは抑え込まれ、攻撃エリアではボールが収まらなかった」、「(前田)常にやっていることを、左サイドでの絶え間ないランニングで実行。その走りでアタランタに問題を引き起こした。また第2のDFのようでもあった」、「(古橋)交代して1分後に大きなチャンスを迎えたが、好セーブに阻まれた」と評している。
最後にスポーツ専門サイト『GIVE ME SPORT』は、旗手を「序盤のリズムの中でこの日本人MFがベースを奏で、テンポを設定。彼の素早さと鋭いパスが、スピーディーな攻撃を生み出した。アタランタが持ち直すと、影響力は薄れてしまった」と貢献ぶりの高さを強調して、採点も「7」と高かった。
前田に対しては「6」の及第点評価で、「彼のスピードはゴールへの有効なルートだったが、相手のマーカーが一歩先を行っているため、このウインガーが息を切らすような前進で試合結果を変えるチャンスを見つけることはほとんどなかった」と厳しめな記述。対して古橋には、「彼のエネルギーは新鮮で、彼が登場するまでゆったりとした時間を過ごしていたアタランタ守備陣にとっては、考えなければならないことが一気に増加。途中出場から相手に脅威を与えた」と賛辞が贈られ、採点も「7」が与えられている。
構成●THE DIGEST編集部
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