国際テニス殿堂(アメリカ・ロードアイランド州ニューポート)は現地24日、元世界ランク1位のマリア・シャラポワ(ロシア)とダブルスの名手として知られるボブとマイクのブライアン兄弟(アメリカ)が、2025年に殿堂入りすることを発表した。
2001年に14歳で女子ツアーに参戦を果たしたシャラポワは、04年のウインブルドンをはじめ、06年に全米オープン、08年には全豪オープン、そして12年と14年には全仏オープンと5度にわたり四大大会を制覇するとともに、生涯グランドスラム(全ての四大大会で優勝)も達成。05年8月22日には世界ランキング1位をマークし、20年に現役を引退するまで実に36ものタイトルを獲得するなど輝かしい経歴を持つ。
世界中のテニスファンから「妖精」として親しまれたシャラポワは、米経済誌『フォーブス』が選ぶ世界で最も稼いだ女性アスリートとして11年連続で選ばれるなど絶大な人気を誇った。現役引退後の20年に英国ビジネスマンと結婚し、22年に第1子を出産した後もファッション界はじめとする様々なシーンで存在感を発揮。現在インスタグラムのフォロワーは469万人にも上る。
一方、ボブとマイクのブライアン兄弟は四大大会の男子ダブルスで通算16度優勝(全豪6、全仏2、ウインブルドン3、全米5)。さらに2012年のロンドン五輪では金メダルを獲得するなど生涯ゴールデンスラム(全ての四大大会と五輪を制覇)を達成している。まさにダブルス界のスーパースターとして君臨したのである。
今回の選出に際して国際テニス殿堂の会長で女子テニスの元世界1位のキム・クリステルス(ベルギー)は、「コート上のそれぞれの歴史的な功績に止まらず、2025年選出メンバーはテニスというゲームに大きな影響を与え、世界中の何世代のファンにインスピレーションを与えてきました。来年、ニューポートで彼らを祝うのを楽しみにしています」と3人の功績を称える声明を出している。
殿堂入りが決まったシャラポワは「現役引退後は人生の責務を果たすことで過去を振り返る機会はありませんでした。素晴らしい評価をいただき本当にありがとうございます。国際テニス殿堂と投票してくださった方々に心から感謝します」とコメント。
また米スポーツメディア『ESPN』のインタビューに登場したボブは「テニス好きの子どもだった自分たちが将来殿堂入りを果たす日が来るなんて言われたら、ショックで倒れていただろう」と語り、兄弟で成し遂げた偉業については「僕たちはいつも自分たちのやっていることが好きだった。それが僕たちをここまで駆り立ててくれたし、長い間テニスをすることができたのだと思う。私たちにとってテニスは、決して仕事でも犠牲でもなかった」と振り返る。
殿堂入りのセレモニーは、2025年の8月21日~23日に国際テニス殿堂のあるニューポートで行なわれる。
構成●スマッシュ編集部
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