角田裕毅がまたも3番手! ただしタイヤテスト実施により勢力図は未知数な部分も……サインツJr.最速|F1メキシコシティGP FP2

 エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催されているF1第20戦メキシコシティGP。初日を締めくくるフリー走行2回目では、フェラーリのカルロス・サインツJr.が最速となった。RBの角田裕毅は3番手だった。

 この前に行なわれたフリー走行1回目では2度の赤旗中断もあったメキシコシティGP初日。FP2はピレリの来季用タイヤのテストに充てられたため、今週末の予選・決勝向けてマシンのセットアップの調整やタイヤデータ収集に活用することはできなかった。ただ代わりに走行時間は通常よりも30分延長され90分とされた。

 ピレリのタイヤテストでは各チームとも、来季用のプロトタイプタイヤと比較用のベースタイプのタイヤの2セットで、予選想定ランとロングランを同じ周回数、同じ燃料量で走行することが義務付けられた。ただFP1でルーキードライバーにマシンを預けた5名のレギュラードライバーは例外で、90分のうち30分は通常通り自由に走行できるとされた。

 90分間のFP2が開始されると、早速各ドライバーがテストタイヤを装着。走行を開始した。しかしFP1で新人オリバー・ベアマンに自身のマシンを壊される形となったフェラーリのシャルル・ルクレールは中々ガレージから出られず。そのベアマンと交錯しマシンに大ダメージを負ったウイリアムズのアレクサンダー・アルボンも同様だった。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、FP1に続いてパワーユニット/エンジンの違和感を訴え続け、早々にピットへ戻ることとなった。

 するとメルセデスのジョージ・ラッセルが、高速のターン8で縁石に乗りすぎたか、マシンコントロールを失いクラッシュ。ターン9のアウト側にあるテックプロバリアに突っ込んだことで、セッション12分経過というところで赤旗が提示された。

 マシン回収とコース修復のためFP2が再開されたのは残り54分という時点。テストタイヤ2セット目での走行が続けられたが、フェルスタッペンは上記のドラブルが完全には解決していないようで、走行を再開したもののわずか2周でガレージにマシンを戻した。フェルスタッペンは結果的に4周のみの周回に留まった。

 こちらのセットでは、フェラーリのサインツJr.が1セット目に記録した自身のトップタイムを塗り替える1分17秒699をマーク。マクラーレンのオスカー・ピアストリとRBの角田裕毅、フェラーリのシャルル・ルクレールが0.18秒程度の差で続いた。

 テストタイヤはロングランにも使用され、クラッシュを喫したラッセルやトラブルを抱えたフェルスタッペン、マシン修復中のアルボンを除く17台が目標周回数に到達するため精力的に走行を継続した。

 テストタイヤのため実際のペースは未知数ではあるものの、コンパウンドや燃料搭載量は全車同じ。その中でフェラーリ勢は1分21秒前半で周回と前戦アメリカGPに続いてメキシコシティGPでも調子を保っているようだ。

 マクラーレン勢やメルセデス勢などは1分21秒台中盤から後半で、マクラーレンからは遅れを取った。レッドブル勢唯一の走行となったペレスは、1分22秒台で周回した。

 残り6分を切ると、FP1を若手ドライバーに託したドライバーが通常のミディアムタイヤを装着。現地が夕方に差し掛かる中でアタックを実施したものの、コンパウンド差や路面温度低下が影響したか、トップタイムを塗り替えるドライバーは現れなかった。

 トップ3はテストタイヤ使用時から変わらず、サインツJr.がFP2最速、ピアストリが2番手につけた。そして角田がFP1に続いて3番手でFP2を終了。フェラーリのシャルル・ルクレールや、終盤のミディアムタイヤでタイムを改善したマクラーレンのランド・ノリスらを上回った。

 FP2は各車イコールコンディションだったこともあり、この角田の好調ぶりは、2日目以降にも期待が持てるとも言えそうだ。しかしながらあくまでテストであり、2日目の走行結果がガラリと様相が変わる可能性もある。

 FP1でルーキーにマシンを譲り通常のコンパウンドで走行が十分にできなかったドライバーとしては特に痛手。またクラッシュやトラブルに見舞われたドライバーにとっては厳しい1日となり、アルボンはほとんど走行できずに初日を終える格好となった。