攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第45回は、V・ファーレン長崎で主将を務める秋野央樹だ。
長崎は現在J2で3位。7年ぶりのJ1昇格を狙える位置をつけている。
秋野自身は今季開幕前に「全試合出場」を目標に挙げたなか、足の痛みで欠場した5月3日のブラウブリッツ秋田戦(2-2)を除き、リーグ戦全ての試合に先発。中盤の底、アンカーで存在感を放っている。
今月8日に節目の30歳の誕生日を迎えたキャプテンは、チーム、自身の現状をどう捉えているのか。
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シーズン序盤戦は引き分けが多かったものの、かなり良い調子で勝ち点を積み上げられた印象はありますし、22試合負けなしのクラブ記録も作れました。かなり手応えはあったんですけど、夏の中断明けからなかなか厳しい状況が続いて、大事な試合で勝点を落としてしまって今の順位にいるかなと思います。だけど、新スタジアムもできて、自分たちが昇格するための流れ、波が今は来ています。
個人的には夏場にかなり疲労が溜まって、スタメンでは出るものの90分出られない状況が続いていましたけど、今はそういうこともなくフレッシュな状態でやれています。ここから残りの試合に向けて、良い調子でやれるんじゃないかなと思っています。
「全試合出場」の目標に関しては、まず試合に出るのは監督、コーチが決めることです。ただ、試合に出られるコンディションは、病気や怪我も含めて気を付けないといけないなと。そこをまずクリアして、あとは選ばれるか選ばれないかのところなので、1試合分足を痛めてしまいましたけど、特に病気もすることなく、良い流れです。週末に試合→リカバリー→オフという、サッカー選手としてすごく充実した日々を過ごしています。
30歳になりましたが、18歳からプロサッカー選手になって、その時と気持ちの部分はそんなに変わっていません。「上手くなりたい」「強くなりたい」向上心は常に持っています。ただ、30歳を迎えて、まず30歳までサッカー選手でやれる幸せを感じましたし、あとはもうサッカー選手の終わりが近付いてきているなとはちょっと感じるので、本当、日々大事に過ごしたいなと思っています。
何歳までとは特に決めていなかったというか、やれるだけやりたいというのがあったので、そういうのを積み重ねたなかで、30歳までやれたというのがひとつ…プロになっても試合に出られずに引退する選手もいますし、実際にそういう選手も見てきたなかで、ここまでやれているのは本当に幸せなことだなと思います。
ここまで本当あっという間です。
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V・ファーレン長崎の今季の大きなトピックと言えるのが、新ホームスタジアム「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」の開業だ。
通称“ピースタ”は、通販大手『ジャパネットグループ』で地域創生事業を担う『リージョナルクリエーション長崎』が、総工費およそ1000億円をかけて開発した大型複合施設「長崎スタジアムシティ」の一部。アリーナ、ホテル、ショッピングモール、オフィスビルなどと一体になっており、いまだかつてない規模で、ひとつの街を形成している。
新時代到来を感じさせるピースタの感想に加え、これまでの本拠地で、2018年のJ1初昇格など、様々な歴史を紡いできたトランスコスモススタジアム長崎への想いを尋ねた。
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新スタジアムは「本当にすごい」の一言です。長崎在籍6シーズンになりますけど、長崎の土地にこんなすごいスタジアムができたかと思いましたし、感動しましたね。鳥肌も立ちましたし、こういうなかでプレーできることを本当に改めて幸せに感じました。
一番のすごさは迫力です。距離感も含めて、ゴール裏を見た時に青い壁みたいに感じますし、選手とサポーターがひとつになれるスタジアムかなと思います。
トラスタに関しては、本当にたくさんの思い出があります。嬉しい思い出も、勝てなくて辛い思い出もありますね。
ただ、トラスタを思い返すと、すごいあったかいスタジアムだったなと。サポーターの雰囲気や、スタジアムの醸し出す雰囲気など全て含めて、長崎らしいスタジアムだったなと思いますね。
※後編に続く。次回は10月27日に公開予定です。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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