劇的な幕切れに狂喜乱舞だ。
現地10月25日、ロサンゼルス・ドジャース対ニューヨーク・ヤンキースのMLBワールドシリーズ(WS)第1戦が行なわれ、延長10回裏にフレディ・フリーマンの満塁ホームランでドジャースが6対3でサヨナラ勝ち。大事な初戦を最高の形で先勝した。1番・指名打者で先発出場した大谷翔平は8回にWS初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打を打ち、同点犠飛をおぜん立てした。
敗北寸前のチームを救う値千金の一発だった。延長10回表にヤンキースに1点を勝ち越されたドジャースだったが、チームは諦めていなかった。1アウトから四球と安打で1死一、二塁の好機を作ると、バッターボックスには大谷。一打出れば同点という場面で、大谷は初球を積極的に振りにいくと、レフト方向に上がった飛球を左翼手アレックス・バーデューゴがスタンドにまで突進する執念のスーパーキャッチ。相手のファインプレーに阻まれたが、身体が観客席へ入ったため、走者がそれぞれ進塁して1死二、三塁となった。
このあとムーキー・ベッツが申告敬遠で歩かされて満塁とすると、続くフリーマンが初球を一閃。打った瞬間に右手を高く突き上げる右越えサヨナラ弾に本拠地ドジャー・スタジアムは大歓声が上がり、熱狂に包まれた。大谷もベンチから興奮気味に飛び出し、フリーマンを笑顔で出迎えた。
WS初戦から劇的な展開に現地記者も大興奮だ。普段はスペインサッカーを中心に豊富な情報を配信しているメキシコ人のスポーツアナリスト、アレハンドロ・アスミティアも、この日ばかりはWSに夢中だったようで、自身のXに「フリーマンのグランドスラム、そして2024年のワールドシリーズ最初の満塁弾はドジャースだ!!! 偉大なフェルナンド・バレンズエラを追悼し、ロサンゼルスがで6-3で勝利」と綴り、現地22日に63歳で亡くなったメジャー通算173勝を挙げ、ドジャースの名投手として81年のWS制覇に貢献したレジェンドに捧げる素晴らしい勝利だと説いた。
同じく米スポーツ専門メディア『Sportsgrid』のマティアス・ベルベル氏は「伝説だ!LAを愛している!」と、こちらもドジャースの底力に喜びを隠せなかった。
ポストシーズン開幕から、ここまで右足首の負傷を抱えながらプレーを続けてきた不屈の鉄人フリーマン。初回に魂の激走で三塁打とし、チームを鼓舞した男が最後に試合を決めた。
構成●THE DIGEST編集部
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大谷翔平は「誰でも打ち取れる」とヤンキース左腕カルロス・ロドンが発言。一方で「素晴らしい打者」「並外れたパワーを持っている」とも