【NOAH】藤村加偉改め“カイ・フジムラ"インタビュー ジュニアトーナメントへ「決勝は宮脇純太とやりたい」

 藤村加偉から改名して『ALL REBELLION』入りを果たしたカイ・フジムラ。ノアジュニアの新戦力として、キャリア5年の節目に大きな転機を迎えた。

 GHCジュニア王座次期挑戦者を決める『N Innovation Tournament』にもエントリー。10・30新潟大会での一回戦では優勝候補の難敵ドラゴン・ベインと激突する。

 いよいよ若手を脱して、ノアジュニアの闘いの輪に本格参入する形となるが、社会人からプロレス入りし、若くして2度の長期欠場に見舞われた苦労人だけに、しっかりと足元を見つめるリアリストでもある。したたかな“逆算”とともにカイが見据えるトップへの勝ち筋とは――。その胸中を聞いた。

【カイ・フジムラ インタビュー】

――なぜALL REBELLIONに?

▼カイ「清宮さんが“若い力”を強調してるのに共鳴する部分もあるし、自分自身が一番変われる立ち位置っていうのが今のALL REBELLIONにあると感じました。このユニットに入ることで一試合一試合の“テーマ”っていうのが明確になってくると思っていて。それこそ一勝をつかめば次につながる。そういうチャンスが増えてくるはずだと思うので」

――すでにキャリア5年、若手を脱する大事な時期に2年間で2度長期欠場していた悔しさもあった?

▼カイ「もちろん悔しかったんですけど、欠場期間にちゃんと強くなれた部分や、自分を変えられた部分もあるので。焦りと同時に、ようやく(欠場期間に変化した部分を)発揮できるっていう自分への期待感もあります。確かに29歳、もちろん焦ってますけど、焦ったら空回りするだけなので、良いプレッシャーとして考えて、(どうトップに上がっていくか)ちゃんと逆算もしてやってます」

――なるほど現実的だ…。『同じ匂いがする』と言っているアレハンドロとのタッグの本格始動も表明した

▼カイ「アレハンドロとはWRESTLE-1で生まれたのも同じですし、福岡出身だというのも一緒で。この先もいろいろと共通点が出てきそうな気がしますね…。確かに僕も感じてます。同じ香りを」

――アレハンドロは杉浦貴を挑発しまくったり、思い切りの良いアピールが目を引いたり、ここ最近の弾けっぷりも目立つ

▼カイ「最近は気持ちの部分でイケイケですよね。横に立っていたら僕自身も変われる気がします。このタッグなら二人で変わっていけると思うし、変えていけると思う。どこまで変われるのか一番楽しみなのは自分自身だったりもするんですけど」

――そして藤村加偉としてエントリーされていたジュニアのトーナメントには、カイ・フジムラとして臨むことになった

▼カイ「一回戦の相手がドラゴン・ベイン。『藤村加偉vsドラゴン・ベイン』だと、やっぱりチャレンジマッチに見えてしまうのが悔しくて。期待値を変えてやりたい!って気持ちが強かったんですよ。でもALL REBELLIONに入って、いきなり大原(はじめ)さんから勝ったりして、周囲の見る目も変わってきた。カイ・フジムラだったら行けるんじゃないか?って声も聞こえてきたんで」

――とはいえベインは今夏N-1 VICTORYでも互角にやり合っていた選手で、ある意味ジュニアを超越しているが?

▼カイ「飛び技とか破天荒な部分が目立ってると思うんですけど、パワーもあるし、テクニックもあるし、オールマイティに凄い。シングルプレイヤーとしても。でもチャレンジする意味での『凄い』じゃなくて、互角な対戦相手としての『凄い』ですから。本音を言えば“しっかり”勝ちたいですね。ガッチリ勝ちたいというか。挑む姿勢じゃなくて、正面から向き合ってしっかり勝つ」

――“挑む”ではなく“倒す”がテーマだと

▼カイ「そうです。だって目的はドラゴン・ベインを倒すことじゃないですから。トーナメント自体を獲りにいくことですから」

――ではトーナメント制して、どうノアジュニアを変えていきたい?

▼カイ「今回のトーナメントの大きな意味って、今までの固定メンバーと海外勢に、RATEL’Sの新メンバー(菊池悠斗)、大和田侑や宮脇純太、そして僕っていう新しい力が食い込んできたことだと思うんですよ。ここで僕らが潰れてちゃダメなんで。新しい流れが来てると思うんで一気に変えたいですね。僕が優勝することで。いつか振り返った時、『ノアジュニアが変わったきっかけはカイ・フジムラが優勝したあのトーナメントだったな』って言われるように」

――ノアジュニア転換点のキーマンになると?

▼カイ「そのつもりです」

――となると決勝は…

▼カイ「理想の決勝カードはカイ・フジムラvs宮脇純太じゃないですかね。これが一番、分かりやすいと思っていて。このカードで僕が優勝できれば、一気にノアジュニアを変えていくことができるはず」

――そして勝ち上がれば現在のジュニア王者・ダガと闘う

▼カイ「今はダガの昔の映像、若い頃の映像を見てます。そこで気づいたんですよ、ダガにはまだNOAHで出してない動きだったり技があるんですよ。まだまだ秘めてるものがいっぱいある。挑戦する時は、そこもしっかり踏まえて闘いたい。そうじゃないとトーナメントに勝って挑戦権を得たとしても、ダガの奥深さにやられてしまうんで。威勢よくぶっ倒してやる!って言うのは簡単ですが、勝てなきゃ意味がないので」

――やはり現実的だ…

▼カイ「はい、これからもトップまでの道をしっかり“逆算”していきますよ」