いよいよ現地10月25日にワールドシリーズが開幕した。延長10回の死闘の末、3対6で敗れてしまったヤンキースの選手たちのパフォーマンスを採点してみよう。10点満点で6を及第点とする。
▼野手
【1番・2B】グレイバー・トーレス 5.5
5打数2安打とリードオフの役割を果たし、9回にはあわや勝ち越し本塁打になろうかという二塁打。ただ、8回に大谷翔平がツーベースを放った際に返球処理を誤って三塁進塁を許し、同点の呼び水となってしまった。
【2番・RF】 フアン・ソト 6.0
この日が誕生日の千両役者は、1安打2四球の3出塁。第1打席から四球で出塁。第3打席はセンター前へのヒットでスタントンの逆転弾をお膳立てした。
【3番・CF】 アーロン・ジャッジ 5.0
相手先発のジャック・フラハティの前に3打席連続三振。外に逃げるカーブやスライダーに手を出し、4シームにもタイミングが合っていなかった。4打席目にヒットを放ったとはいえ、期待通りの働きとは言えない。
【4番・DH】 ジャンカルロ・スタントン 7.0
6回に逆転2ランをぶち込んでジャッジの不振をフォロー。ポストシーズン史上初の4試合連続弾、打球速度116.6マイルは2015年のスタットキャスト計測開始以降でポストシーズン最速と記録づくめの一発だった。
【5番・3B】 ジャズ・チゾムJr. 6.5
6回にアンソニー・バンダの代わりばなを叩いてワールドシリーズ初安打。直後に盗塁も決めて動揺を誘った。延長10回には安打から二盗と三盗を相次いで決めるなど、ゲームを通じて機動力を存分に駆使し、勝ち越しのホームを踏んだ。
【6番・1B】 アンソニー・リゾー 5.5
打っては2回にチーム初ヒットを放ち、守っては一塁後方のフライをダッシュで背面キャッチする美技を披露。5回、先制直後のコールに声をかけるなど、目立たないながらも経験豊富なベテランらしい働きだった。
【7番・SS】 アンソニー・ボルピー 6.0
延長10回、チゾムJr.が三盗を決めた直後の一打は惜しくもヒットにはならなかったが、勝ち越し打点を挙げた。直後に今ポストシーズン3個目の盗塁も記録。
【8番・C】 オースティン・ウェルズ 6.0
6回にショートへの内野安打を放ち、守備でもコールをはじめ投手陣を巧みにリード。9回まで無四球を継続できたのは間違いなく優れたフレーミングのおかげだ。
【9番・LF】 アレックス・バーデューゴ 6.0
持ち前のハッスルプレーで美技を連発。9回裏2死からレフト前の浅いフライを好捕し、延長10回裏には大谷のファウルフライを客席に飛び込みながらもキャッチする大ファインプレーを披露した。
<投手>
【先発】 ゲリット・コール 7.0
初回に大谷翔平とムーキー・ベッツに特大の外野フライを立て続けに打たたが、力強い4シームを武器に2~4回は三者凡退に抑え、7回1失点4奪三振、無四球と堂々たるピッチング。逆転直後の6回に大谷、ベッツ、フレディ・フリーマンの“MV3”を抑えたのもさすがだった。
【2番手】 クレイ・ホームズ 4.5
先頭のマックス・マンシーにいきなり死球を与えてピンチを拡大。2死を取ったものの3人で交代させられた。
【3番手】 トミー・ケインリー 5.0
7回2死二、三塁から登板し、得意のチェンジアップでピンチを切り抜けたが、次の回は大谷にそのチェンジアップをフェンス直撃のツーベースとされ、同点のきっかけを作ってしまった。
【4番手】 ルーク・ウィーバー 5.5
ベッツに犠牲フライを打たれて追いつかれたものの、イニングまたぎで9回まで投げ切り、対戦5打者をいずれも抑えた。
【5番手】 ジェイク・カズンズ 4.0
味方が勝ち越した後の延長10回に抑えとして投入されたが、1死後に四球とヒットでピンチを招いて降板。期待された役割を果たせなかった。
【6番手】 ネスター・コルテス 4.0
対左打者要員としてロースターに入り、大谷はレフトフライに仕留めたものの、続くフリーマンにワールドシリーズ史上初の逆転サヨナラ満塁弾を献上。1ヵ月ぶりの実戦登板としてはあまりにも過酷すぎた?
<監督>
アーロン・ブーン 4.5
7回先頭に安打を打たれた段階でコールの交代を決断。2人の投手を投入して反撃を防いだ。しかし、10回裏1死一、二塁のピンチで今プレーオフ初登板、しかも本来は先発のコルテスをリリーフでスクランブル登板させる奇策が裏目に出た。ブルペンには今プレーオフ好調のティム・ヒルもいただけに不可解な采配だった。
構成●SLUGGER編集部
【動画】史上初のプレーオフ4試合連続弾! スタントンの逆転2ラン