レッドブル、アロンソ獲得の可能性あった? ホーナー代表、4月に話し合いも3度目のすれ違いに「彼はもっと勝つべきだった」

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、フェルナンド・アロンソがアストンマーティンとの新契約を結ぶ前に、予備的な話し合いを行なっていたことを認めた。

 アロンソは4月にアストンマーティンと2026年シーズン終了までの新契約を結んだが、この契約にはF1を離れた後もアストンマーティンにアンバサダーとして留まる条項も含まれており、「生涯のコミットメント」と称している。

 当時、アロンソはアストンマーティンに将来を託す前に、他のチームへの移籍も検討していたと説明している。

「他のチームとも話したよ。交渉に入るときは、他の人たちの話も聞くのが普通だと思う」

「それは普通の手続きだし、すべての提案に耳を傾け、市場がどう動くかを見るのはフェアなことだと思う。でも、僕の頭の中では、アストンが論理的な行動だったんだ」

 そして今になってホーナー代表は、アロンソと彼のマネージャーであるフラビオ・ブリアトーレと話し合いをしていたチームのひとつがレッドブルであることを認めた。

 当時、レッドブルはセルジオ・ペレスとの契約を延長するかどうかを検討し、レッドブル内部が政治的混乱に見舞われマックス・フェルスタッペンが残留する保証もなかった時期だった。

「当時、セルジオの契約はまだ延長されていなかったので、フェルナンドは経験豊富なオペレーターとして、常にすべての選択肢を知りたがっていた」とホーナー代表は語った。

「彼と彼のマネージャー、あるいは長年のアドバイザーであるフラビオは常に市場をテストしている。それは彼がいかにハングリーで、競争心が強いかを示している」

「彼は42歳、あるいは43歳になっても、まだ結果を残している。彼はまだ絶好調で、年齢が単なる数字であることを示している。まだ非常に有能なグランプリドライバーであり、ツールさえ与えられれば、きっと上位にいるはずだ」

 アロンソはメキシコシティGPで通算400戦目に到達。アストンマーティンとF1がそれを祝う予定となっている。

 ホーナー代表は過去2度、アロンソをレッドブルに引き抜こうとしたときのことを思い返し、次のように語った。

「2008年に彼がマクラーレンから移籍したとき、私はマドリードに行って彼にクルマに乗るようプッシュしたことを覚えている」

「我々は2年契約を望んでいたが、彼は1年契約しか用意していなかった。彼はその時すでに、フェラーリとの契約を後ろのポケットに入れていたんだろう。だから我々は契約に至らなかった」

「もし彼が2009年に我々のところに来ていたら、状況は少し違っていたかもしれない。2009年シーズンの途中でも、彼が我々のマシンに乗ればその年のチャンピオンになれると確信していた」

「その後も、話し合いがあった。エイドリアン(ニューウェイ)といっしょに、スパの空港でハイヤーの後部座席に座ってね。2011年か2012年ごろだったと思うけれど、フェラーリから移籍してくることについて話した。それから今年の初めだね」

「彼の選手寿命の長さと競争力、そしてその能力は信じられないほどだよ。チャンピオン獲得2回というのは、彼を正当化するものではない。彼はもっと勝たなくちゃいけなかったんだ」