マクラーレン、ペナルティ再審請求却下に不満こぼしながらも「今後、建設的な異議の申し立て方をFIAと模索していく」

 マクラーレンはF1アメリカGPでランド・ノリスに科されたペナルティに関する再審請求を却下したことに同意できないとし、「チームが建設的に決定に異議を唱えるために何ができるか理解したい」と述べた。

 アメリカGPのレース終盤、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と激しい3位争いを繰り広げたノリスは、2台ともにコースオフしたターン12でフェルスタッペンの前に出てそのままレースを終えたが、コース外からオーバーテイクしたとして5秒のタイム加算ペナルティを受け、4位降着となった。

 マクラーレンにとってこの問題の核心は、2台がコースアウトしたときにノリスがフェルスタッペンより前にいたため、フェルスタッペンがアタックを仕掛けたのだと主張したことにある。

 F1のレーシングガイドラインによると、フェルスタッペンが”アタッカー”であった場合、コーナー出口でノリスにスペースを空ける必要があったが、”ディフェンダー”だった場合その必要がなかったからだ。

 しかし再審請求を次の段階に進めるためには、4つの要件を満たした証拠を提出する必要があった。それは”新しく”、”重要”で、”関連性があり”、”裁定時には入手できなかった”証拠だ。

 この種の証拠には通常、その時点では入手不可能なカメラアングルやテレメトリーデータなどが該当するが、今回の場合、マクラーレンはどちらかというと哲学的なやり方で、スチュワードがノリスをアタッカーと誤って呼んだとする最初の裁定そのものを証拠として提示した。

 FIA関係者はこれを 「持続不可能」として却下し、誤審の疑いそのものを誤審を証明する要素として認めることはできないと述べた。

 マクラーレンはFIAの却下に同意しないものの、今後の決定に対して「建設的」に異議を唱える方法を理解するためにFIAと協力すると述べた。

 マクラーレンはチームが発表した声明の中で、「我々は審査権を要求する我々の嘆願書を却下したスチュワードの決定を認める」と述べた。

「スチュワードが下した決定における客観的かつ測定可能で証明可能な誤りを競技者に認識させるFIAの文書が、FIA国際競技規則第14.3条に規定されている4つの基準をすべて満たす”要素”として認められないという解釈には同意できない」

「FIAとスチュワードがタイムリーに本件を検討してくれたことに感謝したい。我々はFIAと緊密に協力し、チームがどのように建設的に誤ったレース結果につながる裁定に異議を唱えることができるかをさらに理解していく」

 FIAのスチュワードはマクラーレンと同意見で、現在のところ、再審の権利を認めるには「極めて高いハードル」をクリアしなければならず、近年の再審請求はいずれも失敗に終わっている。

 しかしスチュワードは、「再審請求がそうあるべきかどうかは、レギュレーションを公正かつ独立した方法で適用することを役割とするスチュワードではなく、レギュレーター(つまりFIA)の問題である」と結論づけている。