西岩部屋の西序二段十八枚目・幹希の里が誹謗中傷の「犯人」を公開し、相撲ファンの間に衝撃が走っている。
幹希の里は10月23日、部屋の公式Webサイトを通じて文章を投稿。
「皆様へ自分からお伝えしたい事があり、親方の許可を得て書き込ませて頂きます」と書き出すと、これまでX上で「今日も晴れ」「メロンパン」という2つのアカウントが3カ月にわたり西岩部屋に対する誹謗中傷を行っていたことを明かした。
幹希の里が弁護士を通じてアカウントの開示請求をしたところ、「『今日も晴れ』が母方の祖母、『メロンパン』が自分の母と分かりました」と衝撃の事実が発覚。幹希の里は母親に電話をかけて真相を問いただしたが、何度聞いても否定され絶望。その後も誹謗中傷が続いたため、「親の醜態を3ヶ月間も目の当たりにし、家族と2度と会いたくない、縁を切ろうと思い」区役所に分籍届を出したという。
「分籍」は親の戸籍から除籍され、新しい戸籍が編製されるが、実は親族関係はそれまでとなんら変わらない。それでも幹希の里がそのような行動に出たのは、どうしても祖母と母を許しがたかったからだろう。
西岩部屋ではもともと所属力士のSNSの利用について、閲覧のみとしており、投稿は関取になってから認める方針だった。ところが2019年11月に相撲協会を悩ませる騒動が勃発。当時小結の阿炎が悪ふざけで同十両若元春の手足を粘着テープで縛った動画を自身のインスタグラムに投稿し大炎上したのだ。これにより、翌年2月から現役力士のSNSへの投稿そのものが無期限で禁止されることになった。
幹希の里の件ではいまのところ、なぜ親族が誹謗中傷を行ったかなど詳細は明らかにされていないが、本人も様々な憶測を呼ぶことを覚悟の上で公表したのだろう。ちなみに同部屋にいた2歳年下の弟・里田中は今年の9月場所をもって引退している。また、西岩部屋では2023年1月からXを利用してきたが、今回の件があったからだろうか、10月14日にブログと合わせて終了することを発表している。
令和2年3月に初土俵を踏み、現在は序二段十八枚目の幹希の里。弱冠19歳の若者の心中は察するに余りあるが、トラブルにめげず幕内昇進を目指して頑張ってほしいものだ。
(ケン高田)