開幕からつまずき、レギュラークラスにけが人が続出と暗い話題が続いたレアル・ソシエダの今シーズン序盤において、数少ない収穫と言えるのがセルヒオ・ゴメスの活躍だった。
加入早々から主力級の働きを見せ、スタメンに定着。国内外の様々なクラブでプレーしながら、培ってきた実力を遺憾なく発揮している。物議を醸したタケ・クボ(久保建英)のベンチスタートも、そのエスパニョール戦で代わりに右サイドで先発起用されたのはセルヒオ・ゴメスだった。
2人はバルセロナのラ・マシア(下部組織の総称)で一緒にプレーした仲でもある。セルヒオ・ゴメスは過去と今のタケを比較する。
「タケは当時からナイスガイだったよ。今ほどではないけど、おしゃべりな奴だった。前向きなところも当時と変わらない。とても快く迎えてくれた。もっともそうしたフレンドリーさは今シーズン、トップチームに昇格した若手も含めてチーム全員に共通していることだけどね。このクラブには家族のような一体感がある」
そんな幼年期から知るセルヒオ・ゴメスはタケの魅力については「左右どちらから仕掛けてくるか予想がつきにくい」という理由でドリブルを挙げる。
さらに「別々の道を歩むようになってから随分経つけど、大きく成長したのは分かるよ。チームにとってとても重要な存在だ。これまでずっとそうだったようにね。過去に対戦したことも何度かある。とにかく強烈な個性を持っている。その点も昔も今も変わらない。もちろんいい意味でね」と賛辞を惜しまない。
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チームは出遅れたが、セルヒオ・ゴメスは巻き返しに自信を覗かせる。
「ソシエダにはEUROや五輪に出場した選手が多い。僕も含めた五輪出場組はチームに合流してから1週間の練習をこなしただけで開幕戦(ラージョ戦)に臨まなければならなかった。EURO出場組も、唯一無二の貴重な体験をしたわけだけど、その分、疲労感は大きかったはずだ。メンタルも含めてね。気持ちの切り替えはなかなか難しいのは事実だ」
「でも内容の濃い練習ができているし、どちらのチームも優勝できたことはポジティブなことだしね。新戦力がフィットし、逆にタケも含めた既存の選手も僕たちの特徴を把握しなければならない。試合を重ねるにつれて、順位は上がっていくはずだ」
ソシエダにとって、夏の移籍市場は主力の去就に揺れ続けた。セルヒオ・ゴメスはミケル・メリーノ(現アーセナル)の流出について、「一緒にプレーできなかったことは残念」と嘆く一方で、「毎年、どこのチームでも似たようなことが起こる。当然のこととして受け止めていたよ」と冷静に振り返る。
セルヒオ・ゴメスとタケは長い空白期間を経て、ソシエダで再会を果たした。タケにとっては心強い仲間の加入である。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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