作品には人気があるのに、さまざまな要因から地上波では最終回が放送されず、話題になったアニメがあります。いったいどのような理由で、放送中止になったのでしょうか。



画像は『School Days』DVD 初回限定版 第1巻(マーベラスエンターテイメント) (C)STACK・School Days製作委員会 2007

【画像】そういや誰がめった刺しに? こちらが伊藤誠を刺殺した女の子です(3枚)

もはや伝説? 最終回が放送されなかった理由

「楽しみにしていたのに、よりによって最終回が放送されなかった……」というケースも、アニメ界には存在します。当時はなぜ地上波での放送が中止になったのか、理由も含めて「最終回が放送されずに終わったアニメ」を探してみました。

『School Days(スクールデイズ)』

 本作では高校生の「伊藤誠(CV:平川大輔)」が、同級生の「西園寺世界(CV:河原木志穂)」、「桂言葉(CV:岡嶋妙)」たちと恋愛を繰り広げます。しかし最終回は放送中止となり、テレビ神奈川では当日急きょ、船や川を映した環境映像が放送されました。

 放送中止の理由は、その直前に起きた「女子高生による殺人事件」だと言われています。予告なく船の環境映像を見せられた視聴者たちは、混乱しつつも皮肉を込め「Nice boat.」というネットミームを生み出しました。

 後日、AT-Xや一部劇場で最終回が公開され、その壮絶な内容はさらに話題を呼びました。今となっては、「最終回だけ知っている」という人の方が多いのではないでしょうか。テレビで最終回が特集されたり、クリスマスイブに一挙放送が行われたりと、今なお愛されて(?)います。

『異種族レビュアーズ』

 この作品は「サキュバス街」で働く「異種族嬢」に会い、そのサービスをクロスレビューする、きわどい内容です。第4話放送後からは「編成上の都合」として、各局で次々と放送中止になりました。ただ、攻めた設定にSNSでは「そりゃそう」という声も多かった様子です。

 原作者の天原氏も、アニメ化には「正気ですか?」と驚いたそうです。そこで、地上波放送に対応するためか、「無修正ver.」「裏オプver.」「通常ver.」の3種類が制作されていました。とはいえ「通常ver.」でも過激なお色気カットが連続し、無念の放送中止が相次ぎます。

 放送中止後、TOKYO MXでは後番組に「洋上の楽園クルーズ 」が放送されました。『School Days』の「Nice boat.」を連想させる船旅番組に、当時の視聴者たちも反応したようです。「ニコニコ実況」では「狙ってやってるだろ」「ほんと笑わせてくれる」と、話題になりました。

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 意外な共通点が見つかった「最終回が放送されずに終わったアニメ」ですが、当時の視聴者たちのやるせなさは、想像以上のものでしょう。今後、「放送中止アニメの差し替えには『船旅番組』」と、相場が決まってくるかもしれません。