「好きで結婚したわけじゃない」ガールズバー店員刺殺のバツイチ男は犯行前に株を売って100万円を母親に渡していた…計画的犯行か⁉

「あんな子じゃないんだよ。考えられない」。東京・新橋駅近くのガールズバーで10月27日早朝に発生した、女性従業員・谷沢優奈さん(18)殺害事件。持参した果物ナイフで首を刺したとして現行犯逮捕された客の職業不詳・千明博行容疑者(49)=群馬県渋川市=の母は取材に訪れた記者にこう絶句し、絞り出すように証言してくれた。

「『ちょっと東京行ってくる』と言って家を出ました」

千明容疑者が自宅を出て東京に向かったのは事件前日の26日午後7時ごろだった。車で渋川駅まで行き、そこからJRで新橋を目指したようだ。在来線で3時間近くかかる道のりだ。

「あの子は『ちょっと東京行ってくる』と言って家を出ました。そのとき、暗い感じで元気がなかった。なんかいつもと雰囲気が違ったの。寂しげな感じがした。

何で言ってくれなかったのか?って思います。言ってくれたら縛ってでも行かせなかったのに。根はいい子だから今でも信じられない。親が言うのはおかしいけど、几帳面な子だよ。

私と主人は身体が弱くて年中医者通いしてるから、息子が車でその送り迎えをしてくれていた。だからあの子は『送り迎え全部するからちゃんとしたところには勤められない。コンビニみたいなところで短時間働くしかないね』とも言っていました」

最近は家業の農業を手伝い、栽培したさつまいもを干し芋や焼き芋に加工していたという千明容疑者。地元の公立中学では卓球部に所属し、県内の卓球強豪の私立高校に進学した。

「高校ではなぜか何も部活に入らなかったけど、昔から絵だけは得意でいつも金賞を取ってきた。その頃から法律系の仕事を目指してたけど、小学校の1クラスが50人以上もいる時代だったから、大学には行けなかったんだよね」

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「酒はほとんど飲めなかった」 

それでも司法試験を目指し、若い頃は結婚した経験もあったという。

「息子は無口だから好きな女性がいるとかそういう話は一切しなかったけど、30年近く前に1回結婚したことがあるのよ。

当時、まだ20代で東京にある法律の専門学校に通って何回か司法試験に挑戦したんだけどダメでね。そうこうしてるうちに音楽の専門学生の女性とできちゃった結婚して、収入がないから奥さんと子どもと一緒に実家に戻ってきたの。それから、うちで農家の仕事を手伝うようになりました。お父さんが造園屋もやってたからそれも手伝っていました。

でも、すぐに離婚しました。理由はわからない。親権は欲しかったけど、裁判で母親に取られました。男の子だったんだけど、もう20歳過ぎてると思う。裁判所が決めた条件で、息子に会っちゃダメってなって。元嫁に『好きで結婚したわけじゃない。できちゃった結婚だから』といってました。『養育費もいらない』と元妻から言われたようです」」

離婚後は、高価な万年筆をコレクションするのが唯一の趣味だったという。

「何十万円もする限定の万年筆を集めるのに血道をあげて、海外から取り寄せたりもしていました。ケースに入れて並べています。

東京に行くのも、万年筆を買うときくらいしか行かなかった。上野のガード下とかに買いに行っていました。離婚してからしばらくは、『女はいらない』って感じで趣味に没頭していて、彼女はいなかったと思う」

それがいつの頃からか、くだんのガールズバーに通うようになったという。それが被害者の言う「マッチングアプリ」を介したものだったのかどうか、母親は知る由もない。

「なんだか女の子から電話がかかって来るようになって、そうすると翌日か2日後くらいには店に行っていました。店には週1くらいのペースで通っていました。

飲み屋の女の子を刺したらしいけど、あの子は飲めないんだよ。たまに缶ビール1缶を私と半分ずつ飲むくらい。しかも、身体壊してて、ヘルニアと糖尿病、肝臓も悪くしてるから薬いっぱい飲んでるの。なのに何でそういう店に行ったのかわからない。だから心配してるんだよ。警察にうちらからの薬は持って行けないから」