初めて見る食べ物に遭遇した際、人は「見た目」や「匂い」をヒントに、その味を想像するもの。

しかし以前X上では、全く味の想像がつかない寿司が「北海道民しか知らない」と大きな話題となっていたのをご存知だろうか。

■この寿司、何かがおかしい…

ことの発端は、北海道のグルメや絶景をスポットを紹介する「NorthSmile」のX公式アカウントが投稿した1件のポスト。

「ガチで北海道民しか知らない寿司ネタ一位」という意味深なワードが綴られた投稿には、巻き寿司の写った写真が添えられている。

かろうじて「寿司」ということは分かるのだが…乳白色と薄黄色の混じった独特の色味、見ただけで分かるねっとりした質感、大量に詰まった細長い卵のような物体…と、謎すぎるネタの姿が確認できたのだ。

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■「クラゲ」「ゼリー軍艦」などの声も…

視覚的なインパクト満点な同ポストは瞬く間に話題となり、投稿からわずか数日で1万件近くものリポストを記録。

Xユーザーからは「クラゲ?」「ガチで分からない、何じゃコリャ」「海藻か寒天?」「ゼリー軍艦?」など、疑問と戸惑いの声が続出する事態に。

一方で、北海道に縁があると思われるユーザーのリプライからは「たこまんま」という、謎の5文字が多数確認できたのだ。

そこで今回は、謎すぎる寿司ネタ・たこまんまの正体を探るべく、北海道のグルメのプロたちに話を聞いてみることに…。

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■「ネタの正体」聞いても味が想像できない…

今回の投稿の経緯について、ポスト投稿主は「北海道では『回転寿し トリトン』を筆頭に度々見かける寿司ネタですが、東京や大阪、九州や沖縄など、全国様々な地域に旅行で訪れた際に一度も見かけなかったので、今回投稿してみました」と振り返っている。

謎のネタ「たこまんま」の正体については「タコの卵です。食感はプチッとしていて、噛むと中身がとろけるように出てきます。磯の香りが強く、『ウニといくらの中間っぽい味』と言われることもあります」と説明してくれた。

その希少性については、「トリトンなど、道内の回転寿司チェーンでは5月から6月、12月から2月頃に出回ることが多いみたいです」「たこまんま自体は、海沿いの地域のスーパーに行けば意外と簡単に見つけられると思います」と、語っている。

とはいえ、一口に「道内」と言っても非常に広く、同じ道内でも地域性が見られるのが北海道。

やはり「たこまんま」にも地域性があるのか尋ねたところ、「(寿司ネタとしては)地域性というより、先述した北海道の回転寿司チェーンが提供しているケースがほとんどだと思います。なので個人店のお寿司屋さんなどでは、取り扱っているケースは少ないと思います」との回答が得られたのだった。

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■話題のトリトンに話を聞いたが…

何度か名前が挙がった「トリトン」は北海道の他、東京にも店舗をいくつか出店している。

そのため、今回のポストにも「品川・池袋のトリトンで、たこまんまを食べた経験がある」という声が少なからず寄せられていた。

そこで、トリトンを運営する「北一食品」に取材を打診。その際に担当者は「たこまんま」の名称を認識しており、やはり「トリトンではたこまんまを提供している」と見て、間違いなさそうだ。

その後、提供可能なシーズンやネタの詳細について尋ねてみたが、担当者からの連絡が途絶え、一切の回答が得られなかった。

そのため「たこまんまが気になる」という人は、前出のNorthSmileのコメントを参考にしてみてほしい。

なお、NorthSmileは、2019年7月に「株式会社心美」が開設した、北海道のグルメと観光情報に特化したWEBサイト。Xでの「#北海道あるある」や「#北海道難読地名」など、あるあるネタやクイズ形式の投稿で人気を博しており、Xの年間PV数は1.6億以上にも及ぶという。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ