想起される8年前の足踏み。シーズン初の連敗“10月の失速”から四方田修平監督はいかにチームを立て直すか【横浜FC】

 残り試合数やライバルとの勝点差など、いくつかの状況は異なる。それでも、今の横浜FCは8年前の札幌を想起させる。どちらも指揮を執るのは四方田修平だ。

 2016年のJ2リーグ。四方田監督が率いる札幌は盤石の強さで首位を快走していた。だが10月に入るとトーンダウン。37節・東京V戦は1-2で敗れると、続く熊本戦は0-2の完敗。シーズン初の連敗を喫した。

 まさかの足踏み。着々と迫りくる清水と松本。それでも札幌はなんとか立て直して、最終節の金沢戦はスコアレスドローも貴重な勝点1を上積みし、清水と松本を抑えてJ2優勝&J1昇格を勝ち取った。

 最終盤に苦しみながらも、ミッションを達成した。その経験が四方田監督にはある。

 横浜FCで就任3年目の今季、チームはリーグ最少失点の堅守を武器に昇格レースを牽引していた。

 20戦負けなしで迎えた10月19日の35節・仙台戦。勝てば無条件でJ1昇格圏内の2位以内が決まる。だが0-3の完敗。今季初の3失点で約5か月半ぶりの黒星がついた。
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 続く36節・岡山戦。前節と同様、勝利すればJ1への切符を手にできる。しかもホームゲームだ。だが、開始18分に先制を許すと自慢の守備が崩壊。55分までに4失点。その後に2点を奪うも反撃はそこまで。最多失点を更新する惨敗でシーズン初の連敗となった。

 試合後のフラッシュインタビューで「昇格を期待して集まってくださったサポーターのみなさまに、本当に申し訳ない結果になった」と振り返った四方田監督は、「選手の、今日で勝ち取ろうという想いを結果につなげてあげられなかったというところで、本当にすべて監督の責任」と悔しさを滲ませた。

 敗戦の責任が監督にあるならば、勝利を手繰り寄せるのも監督の仕事だ。“10月の失速”からいかに這い上がったか。実績十分の指揮官はその術を知っている。身をもって体験している。だからこそ、次のコメントにも説得力がある。

「今の現実、現状をしっかり受け入れなければ、次には進めないと思う。大事なのは残り2試合。バラバラにならずに、チームとして、今できることをしっかりとやったなかで、来週のホーム最終戦、必ず勝って、昇格できるように、まずはやっていきたい」

 すでにJ1昇格を確定させた首位の清水とは勝点2差。J2優勝の可能性が潰えたわけでもない。次節は11月3日、ニッパツ三ツ沢球技場で栃木SCを迎え撃つ。3位のV・ファーレン長崎とは5ポイント差だ。22年シーズンはホーム最終戦の41節・金沢戦で2-3の敗戦も自動昇格を果たしたが、今季は“必ず勝って”歓喜の瞬間を味わいたい。

文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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