レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1での交戦規定を記したレーシングガイドラインの調整に関するドライバーとFIAの話し合いを終え、自身としては「何も変わらない」と語った。
メキシコシティGPの金曜日に行なわれたドライバーミーティングでは、レーシングインシデントに対してどのように裁定が下されるのか、また現行レーシングガイドラインが目的に沿った内容になっているかどうかについて、ドライバーたちがFIAに回答を求めた。
議論のきっかけとなったのは前戦アメリカGP決勝。フェルスタッペンと激しい3位表彰台を展開したマクラーレンのランド・ノリスが、コース外でアドバンテージを得る形でポジションを上げたとしてペナルティを科された一方、同時にノリスを押し出す形でコース外を走ったフェルスタッペンは罰せられなかったのだ。
現行ガイドラインには、エイペックスで前にいるドライバーにコーナーの優先権があるとされている。イン側から飛び込んでコースを外れてしまったフェルスタッペンもペナルティを受けるべきだったのか、それとも正しかったがフェアなバトルに反する抜け穴を突いていたのかが議論された。
その結果、FIAは11月末のカタールGPまでにガイドラインを再検討することで合意した。しかしフェルスタッペンは自身のやり方を貫くと語った。
「僕としては、バトルという点では何も変わらない」とフェルスタッペンは言う。
「ルールは常に良くすることができる。そのために常に努力すべきだよ。そうでしょ? 完璧はありえない。それは理解している」
「でも問題のはじまりは、あのコースでは簡単にランオフエリアを走れることだと思う。もしグラベルが敷き詰められていたら、アウト側のマシンには明らかにコースオフのリスクがあってブレーキングを遅らせることはないから、そのような状況に陥ることはない」
「イン側でも、いつもより慎重に進入することになるから同じで、そのようなシナリオになることはない」
「ランオフエリアが多いサーキットではそれが問題になるし、もちろんFIAもそれを見ている。オーストリアのように、グラベルトラップをいくつか敷設するのがいいかもしれない。それが助けになる」
また、ライバルが特に自身のバトルを抑制することを目的とした動きがあると感じているか? と訊かれたフェルスタッペンは次のように答えた。
「いや、彼らは自分たち(のルールがどうなのか)知りたいだけだと思う」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、カタールGPに向けてFIAが取り組んでいるガイドライン改訂によって、バトル中に何が許されて何が許されていないのかに関するドライバーたちの混乱を減らすことに繋がるだろうと期待している。
「ポジティブで生産的なミーティングだったと思う」とサインツJr.は言う。
「多くのそれぞれの状況に対してどう感じているのか、そして僕らが考える最善の方法について話し合った」
「スチュワードがペナルティを適用するルールやドライビング・ガイドラインをどう解釈するのかは今回も変わらないし、同じく同じような形で適用されると思う」
「でもカタールでは、ドライバーにとってより理解しやすくなるような、そしてバトル全体が良くなるような解決策があると思う。もっと良くなるといいね」