首都圏で相次ぐ闇バイトを実行役にした一連の強盗事件。東京、埼玉、千葉、神奈川では8月下旬以降、住宅や店舗を狙った事件が少なくとも18件発生。ハンマーやバールでガラスなどを割り、住民を縛ったうえで現金を奪うという手荒な手口で、死傷者も出ている深刻な事態だ。これを受けて、1都3県の警察は合同捜査本部を設置し、全容解明を目指している。
「メン地下」関係者からの情報提供
これまで発生した18件の事件では、闇バイトに応募した若者など35人以上が逮捕された。
そして28日、千葉県市川市の住宅から女性が一時連れ去られて負傷した強盗致傷事件に関与したとして、千葉県警は、住所不詳、自称・飲食店従業員、久保田陸斗容疑者(21)を強盗致傷容疑などで逮捕した。
一連の首都圏で相次ぐ強盗事件のうち、市川市の事件は17日未明に発生。一時連れ去られた住人の女性(50)が負傷し、軽乗用車や携帯電話が奪われた。
千葉県警はすでに、被害者の女性を埼玉県で監禁した疑いで藤井柊容疑者(26)を現行犯逮捕し、強盗致傷などの疑いで高梨謙吾容疑者(21)を逮捕している。
今回逮捕された久保田容疑者は、強盗致傷事件の実行役の1人とみられ、警察は27 日から最高300万円の報奨金をかけて公開手配していた。
公開手配の翌日の午前中に身柄を拘束された久保田容疑者。犯行前後は金髪だった髪色を逃走中に黒色に変えているのにもかかわらず、あっけなく逮捕に至ったのは一体なぜなのだろうか。
「久保田容疑者は、東京都内でメンズ地下アイドルとして活動していました。その関係者から公開手配後に情報が寄せられ、東京都新宿区で確保されました」(社会部記者)
地下アイドルとは、テレビなどのメディアに露出せず、ライブやイベントで活躍するアイドルのこと。
アイドルとファンの距離の近さが特徴で、ファンは握手券や写真撮影に金を支払うという意味では、ホストと仕組みが似ており、これまでも久保田容疑者が所属する事務所の地下アイドルをめぐっては、未成年淫行や金銭トラブルなどが相次いでいた。
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「お金がないので、キャストに借りたりタバコをもらったりしていました」
久保田容疑者は「りんたろう」という名前で地下アイドルの活動をしていたという。久保田容疑者が所属していた事務所関係者はこう話す。
「アイドル活動当時は、どちらかというとおとなしめな子で、アイドルメンバーとだけ話している印象でした。ただお金がないので、キャストに借りたり、タバコをもらったりしていました。
アイドルをやっていたのは1年くらいですかね。その後は、マネージャー的な役割で、事務所の演者の面倒を見ていました。ただ、マネージャーはあまり稼げると思えないので、金には困っていたんだと思う」
金に困った末に凶行に及んでしまったのか。久保田容疑者が関与しているとみられるのは市川市の事件だけではないという。前出の社会部記者が語る。
「市川市の事件の2日前には、神奈川県横浜市青葉区で強盗殺人事件が発生しています。久保田容疑者と似ている男が現場周辺の防犯カメラに映っていたことが分かり、警察は久保田容疑者がこの事件にも実行犯として関与したとみて調べています。
また、警視庁は実行役から押収したスマートフォンを解析し、指示役や首謀者の特定を急いでいます」
昨今、強盗事件が各地で相次いで発生しており、「闇バイト」で集められた犯行グループが関与していると見られている。
募集する側は「ホワイト案件」などと、違法性がないことを強調しておきながら犯罪行為を指示し、拒否されると、事前に控えておいた個人情報を使って脅迫するのが常とう手段だ。
これを受けて、警察庁は、「凶悪な犯罪に加担しようとしている方へ」と題し、「闇バイト」への啓発をする動画をYouTubeに公開するという異例の事態に。警察は、相談を受ければ家族も含め保護すると呼びかけている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班