巨人が10月28日、来季のコーチングスタッフを発表した。今季はリーグ優勝こそ達成したものの、日本シリーズ進出は“貧打”で逃した。そこで阿部慎之助監督の肝煎りで橋上秀樹氏が1軍作戦戦略コーチとして11年ぶりに復帰。「現役時代に阿部監督の打撃改造を指南した」(巨人担当記者)というのが入閣の主な理由だという。
 
 一方、昨年秋に阿部監督が一本釣りした矢野謙次打撃コーチは2軍打撃チーフコーチへ配置転換。1軍の打撃コーチには亀井善行外野守備走塁コーチが横滑り。また村田善則総合コーチも続投、二岡智宏ヘッドも今季と同じく打撃チーフコーチを兼任する形で“無風の組閣”となった。

「打撃部門のコーチが増えたコーチ人事ですが、亀井コーチは原前監督の薫陶を受けており、村田コーチは松井秀喜氏が現役時代から巨人の中でただ一人、心を許せる親友です。二岡コーチは球団フロントがその指導力を高く評価している。ある意味、実にバランスが取れたコーチ人事でもありますが、橋上氏のように加えることはできても入れ替えは難しかったということ」(夕刊紙記者)

 阿部監督とって3年契約の2年目となる来季の最低限のノルマは、当然のことながら「日本シリーズ進出」となる。菅野智之のMLB移籍や岡本和真のポスティング移籍など、投打の主力が来季は不在となる可能性がある上に、坂本勇人や丸佳浩らベテラン勢の高齢化も今季以上にのしかかる。

「ドラフト会議も即戦力の選手を指名できずに不発に終わりました。このオフの補強がコーチ人事の組閣のように無風で終わるようなことになれば、日本シリーズ制覇など夢物語になるばかりではなく、リーグ連覇さえ危うくなりそう」(前出・夕刊紙記者)

 果たして、補強で大きな目玉は飛び出すのか。

小田龍司

 

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