ドイツで躍動するマインツ佐野海舟。瞬く間にフィットしたボランチが語った手応え「どんどん増やしていきたい」【現地発コラム】

 佐野海舟がプレーするマインツは板倉滉の所属するボルシアMGをホームに迎えたブンデスリーガ第8節で、1-1の引き分けに終わった。

 勝点を手にできるだけの試合内容だっただけに残念な結果ではある。ドイツ代表経験のあるMFナディーム・アミリは「明らかに我々の方がいいサッカーを展開していた」とこぼし、終盤にファインセーブを連発してチームを救ったGKロビン・ツェントナーも「みんなものすごい労力を投じてプレーしていたし、何としても勝ちたいという気持ちがすごくあっただけにこの結果はとても腹立たしい」と振り返っていた。

 ダブルボランチの一角でフル出場した佐野は「流れは悪くなかったと思いますし、前半なんかはいい崩しもできてたと思います。得点まで行けたんですけど、やっぱり得点したあと少し全体的に緩んでしまったかなと思います」と分析した。

 勝ち切れなかったのはもったいないが、チームとしての確かな方向性とその中で佐野が躍動し、順調に順応度をアップさせているのは今後に向けて好材料だろう。

 試合を通してセカンドボールを何度も拾い、競り合いに勝利し、ヘディングでも負けない。ゲームの流れから外れることが少なく、いてほしいところにいるという場面がたくさんあった。
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 そんななか、開幕当初と比較して大きな変化を感じさせられたのが13分のプレーだ。右サイドで味方からパスを受けた佐野に、ボルシアMGが2人がかりで鋭いプレス。激しいボディコンタクトでバランスを少し崩したものの、そこでつぶされずにうまくすり抜けて、左サイドへと展開したのだ。さらにそのまま前のスペースに上がってパスを受け直し、攻撃へのギアを入れていた。

 最後は、相手ブロックに阻まれたとはいえ、一つひとつのアクションで足を止めずに、次のアクションへと流れるように移行していく様子は1か月前には見られなかったこと。本人も手応えを口にしていた。

「そうですね。あそこで剥がして、自分のところで(ボールを)運べたらすごくチャンスにはなると思う。ああいうプレー、なと思います」

 チームとしてもこれは大事なポイントだ。ボランチでコンビを組むアミリへの依存度が高いのが課題だったからだ。佐野が効果的にボールをさばくことで、チームとしてのビルドアップのクオリティは確実に向上している。

「監督からも深いゾーンっていうところに入り込むように言われてるんで、(そうしたプレーを)増やしていきながら、自分の本当にいないといけない場所には常に居続けれるような、タイミングとバランスを見てやっていきたいです」

 ドイツ代表FWヨナタン・ブルカルトがこの試合で負傷離脱をするなどマインツの台所事情は苦しいだけに、佐野が早々にフィットしたのは非常に重要だ。

取材・文●中野吉之伴

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